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特 集

2011年11月6日
新宿区戸塚地域センター
開かれた会をめざす会 2011年 秋 シンポジウム

誰のため? 本当に必要? できたらどうなる
議会基本条例の基本と成果を探る

パネラー:
伊賀市議会 安本美栄子議長
多摩市議会 安藤邦彦 元議会改革特別委員会委員長、現 副議長
所沢市議会 桑畠健也 元議会基本条例制定特別委員会委員長

     コメンテーター:
     福嶋浩彦氏 元我孫子市長、現 消費者庁長官
     菅沼栄一郎氏(朝日新聞記者)

     第1部 司会: 川名ゆうじ武蔵野市議(開かれた議会をめざす会事務局長)

     第2部 コーディネーター: 小林弘和専修大学法学部教授(開かれた議会をめざす会顧問)


本会注
:冒頭、開かれた議会をめざす会の田原麻喜代表の挨拶のなかで、今回のテーマ「議会基本条例」を取り上げた理由について、昨年のシンポジウム「私たちが考えた議会改革の特効薬」にて、会場から、考えつく様々な議会改革の特効薬を募り、投票したところ、「議会基本条例制定の義務化」が一番得票が高かったことから、今回テーマとして取り上げることになったとの説明がなされた。


なお、3市の議会基本条例全文は、各市のホームページでご覧ください。また。発言内に出てくる配布資料は掲載していませんが、内容は理解できる範囲と思われます。必要な方はお問い合わせください。

(発言者の敬称略)

第1部 先進的な3市から議会基本条例の報告

 ◆ 議会基本条例があるのは全体の1割、実情は・・・
司会: (始めに配布資料について説明後)会場にいられる皆さんにお伺いしますが、議員さんはどのくらいいらっしゃいますか?(挙手してもらう)7割ぐらいですかね。この中で皆さんがお住まいの自治体議会で、すでに議会規範基本条例を作ったという所は?(挙手)少ないですね。それでは、議会基本条例を作るらしいという噂がある所はありますか?多少できつつあるようですね。しかし、作ったところでどうなるのか?本当に役立つのか?本当に役立っているのか?約1800の自治体があり、その中で議会基本条例があるのは約200の議会で1割という状況です。また作成の理由が市町村合併でそれぞれの議会ルールがバラバラだったから統一するために作った所や不祥事があったので仕方なく、などのマイナス要素で作った所もあります。そうした中で、今日来ていただいた3市はお手本となる議会基本条例を作られました。伊賀市議会は市の中で一番最初に作った所で、老舗中の老舗です。多摩市は東京都の中では一番最初に作った所で、決算の評価など、先進的な取り組みが見られます。所沢市は、市民参加の手法や策定の評価表など、議員からすると自分たちの首を絞めるような工程表を作っていて斬新な基本条例です。これから議会基本条例を作ろうとされている議会の方々には、先輩議会である3議会のお話を伺うというのは、とても良い機会になると思います。また、今回、コメンテーターとして、元我孫子市長、現在 消費者庁長官の福嶋浩彦さんと、朝日新聞記者の菅沼栄一郎さんに来て頂いています。では、よろしくお願いします。

本会注: 伊賀市、多摩市、所沢市より、それぞれの議会基本条例について、あらかじめ以下の@〜Dの5点について話して頂くよう要請しました。第1部においては、そのうち@〜Bまでを20分以内で説明し、後半の第2部で、CDについて話して頂きました。それぞれの説明用のスライドのナンバーを【 】で示しました。スライドは枚数が多かったため、適宜減らしたので順番通りではありません。
     @策定のきっかけ 
     A制定までの経過 
     B条例の特徴 
     C施行後の成果 
     D今後の課題
伊賀S1

 ◆ 伊賀市議会−合併と市民の怒りが推進
    「市民を越えた議員・議会は生まれない」
伊賀市議会議長 安本美栄子: 三重県の真ん中、四方を山に囲まれた伊賀盆地から来ました。1年間のうち2ヶ月間、町中が忍者だらけになります。観光客も犬だって忍者衣装を着ている、そんな時期があります。今、住民の一番近くにいる市議会が全く見えない。これを払拭し、日本の地方政治の原点となるために、880の市議会の議長会がスクラムを組もうと、いつも思っております。平成19年2月に、難産の末に議会基本条例が生まれました。猛反対でした。なぜなら、議員らは自らの首を絞めること、そんなのやるか、と。もう一つは、女の議長だから、到底出来っこないよね。議会は男社会です。そこをうまくすり抜けながら、市民と一緒になって、白紙の状態から、議会基本条例を作ったのが、わが市の特徴です。あり方検討委員会を作って、市民の方に、真っ白な紙一枚を持って頂いて、伊賀市議会、今のままでいいかダメなの伊賀S2か・・・、ダメな答が一杯来ました。だからこそ出来ました。市民を越えた議会は決してできません、市民を越えた議員は生まれません。だから今でも、市民オンブズマンから議会は議員は(ダメだ)というクレームが来ますが、皆さんを越えた議会・議員は生まれません。ですから、「選択責任をお取りなさいよ」と、私はしっかりと市民の皆さんにお返ししています。【スライド2】私たちは平成16年11月に6つの自治体が合併しました。約190平方キロメートルが558平方キロメートルと3倍近い広さになりました。周辺の人たちからの、「合併で私たちは置いてきぼりになりますよね」と言う声を払拭するために、伊賀市の最高規範である憲法、住民自治基本条例を作りました。そこには、議会の議決責任、そして行政の執行責任、市民の皆さんにも選択責任を負って頂くことになりました。市民が選択責任を負うためには、情報がなければなりません。情報の共有、そのために小学校区単位で38の住民自治協議会をつくりました。そこに一定相当事業に対する財源をもらっていただき、市長は4つの権限を与えました。諮問、提案、同意、決定。自分たちの町は自分たちで作る。行政は補完の原則にもとづいてお手伝いをしましょうとの、都市内分権の推進ができました。伊賀S4議会は必然的に変わらなければいけません。オラが町の橋はどうなの、オラが地域の建物はどうなの、そんな伝書鳩はもうする必要はありません。住民自治協議会は優先順位を決めて、担当原課と話し合うことになりますから、当然、住民も行政も変わりました。もう一つは、市民の怒りがありました。合併し、市長と議員の同日選挙をしましょうと、調印式が終わった後、在任特例5カ月を使いました。市民は怒りました。「なんで議会だけそんなことするの!」と。でも、その“怒り”こそが改革を猛スピードで進めた原点でした。議員は自らの改革はなかなかできませんが、こうして市民が怒ったことで、仕組みが変わりました。では、どんな議会がいいのか市民の皆さんに尋ねてみようと、議長就任時に、私的諮問機関の【スライド4】「議会のあり方検討委員会」に各会派から出ていただいて設置しました。市民の皆さんと56会場、83団体、500人の方と、意見交換をしました。出るわ出るわ、議員に対する不満。「4年間、選挙の時以外は何をしているんだ」「CATVで放映される一般質問、くだらない地域のことばっかり聞いている」「数字を聞いて終わっている、こんなのは無駄だ、原課に訊けばわかることだ」「質問して、答をもらって、あーそうですかで終わっている」「くだらない質問をして、くだらない回答にも、伊賀S6ありがとうございます、と馬鹿なことを言っている議員はもう不要だ」、という不要論まで出ました。こういう意見などをまとめて、10章23条からなる議会基本条例を作りました。【スライド6】特徴が7つあります。定例会が年間4回あり、それが終わった後1か月のうちに37のブロックの方々と調整しながら、議会報告会を実施します。報告会が直近の議会の報告をすることのみに捉えられますが、【スライド8】こんな基本的な考え方を(7つ)位置付けております。2時間のうち報告するのは十数分だけで、残りは市民と直近の課題、喫緊の課題について、例えば、今、大型プロジェクトが進んでおり、市民が二分されており、議会も二分しています。賛成か、反対か、市民同士が議論していて、我々議会がそれをずーっと聴いていることもあります。残りの数分間はフリートークで、何でもいいから話してくださいね、と、進行しています。【スライド6】2つ目の特徴は、一問一答方式と反問権の付与です。一問一答方式は議会の一般質問が市民には分かりにくいということで、それに応えましたが、これは条例ができる以前からやっていました。反問権の付与、これは殆どの議員が反対しました。反問権を当局に付与すると自分の発言が制限されると。でも、私は違うと思いました。反問権を行使されるくらいの議員になろうよと。伊賀S8それがテレビで放映されたら、選挙運動などしなくていいくらいです。反問権の付与というのは、大いに当局に使ってもらうべきだというのが私の考えです。ちなみに市長さん曰く、反問する時は、大体3つあるそうです。@全く新しい対案を持っている、だから「○○議員はどんなお考えですか?」と、対案で議論していく。A行政は何もしていないという全否定から始まる質問、市長は職員が頑張ってくれていますから、抵抗があります。「それはどういうことですか?」という感じの質問をします。B視察に行って、あそこは良かった、と(議員が)ひけらかすためのもので、だから我が市にとってどうなんだということで、その議員に対し「仰っていることが理解しにくいので、もう少し具体的に」と市長が質問する。こういう反問がございます。それから、第9条には、重要政策に対する7項目の明確化、を義務付けています。伊賀市も合併特例債を使って大型プロジェクト(市民も議会も二分している)を進めていますが、政策の発生源、経緯、類似都市との比較、市民参加の有無とか、総計との関係、財源とか将来のコストはどうなのか、とか、これも当然のことなので、市民に、市長が説明するのも、議会が説明するのも一緒ですから、議会が説明しに行ってくれるなら楽ですから。市民が選択する材料として大事ですから、これは当局の同意事項。4つ目が、第12条政策討論会です。議員が、一定のテーマについて他の議員の意見を聴いて、条例、あるいは仕組みを作りたいのであれば、いつだって開催されます。自分の会派の班長さんに申し出て、班長さんたちが協議して開くことができます。報告会に行って、持ち帰った問題を当局と議論する場合もあれば、議員に一般質問してもらう場合もあれば、政策討論会で議論をして、一つの形にする場合もあり、それはいろいろあります。ここで一つ問題なのは、幹事長がディベートをリードするんですが、ディベートに参加できるのは一期生、二期生くらいです。三期生になると、「うちの地域では(やってもらっては)困るんですよ」と、違う方向で行ってしまうことがあります。第13条の出前講座は、常任委員会制度をとっていますので、それらの専門性、例えば土木の団体、商業の団体、福祉の団体がそれを所管する常任委員会と討論する。例えば、建設業界でしたら、公共事業が減ってきた、あるいは入札制度についてなど、要望になるかもしれませんが、現状をどうやって打破していくのか、と、議員とその業界の人たちが議論する出前講座。これは事務局に申し出てもらえば、出かけて行きます。それから18条は、表決態度の公表です。この議案に対し、誰がどんな理由で反対をしたのかをホームページあるいは広報で皆さんにお示ししていますので、それを(市民が)報告会に持ってきて、「○○議員は、ここで反対してますが、どうしてですか?その理由を詳しくお願いします」それを聞いて、個人攻撃と受け止める議員もいます。ですから、当議会では、報告会に行きたくない人と、行って勉強したいな。という2つに分かれております。第20条、21条、議員提案による議員定数・報酬の改正は、市長の諮問機関である特別職報酬審議会にかけないで、私たち自らが決めます。人勧(人事院勧告)からカットダウンの意向を示されましたが、平成19年から一度もカットしておりません。当時、自治会の代表者から、なんで行政がカットしてるのに、議会はやらないんだという文書も来ましたが、かなり議論をし、自信を持ってやっているのだから譲れないところは譲れないと、当時(平成19年)私の首を掛けて取り組みました。今年も、定数と報酬について議論をし、年内に決定しなければなりません。平成25年が選挙ですから、条例には市民の適切な意見を聴いて決定すると書いてありますから、市民に話を聞くため出かけなくてはなりません。多くの方と一同に議論すると、減らせ減らせで終わってしまうので、どんな方法で市民に伝えていったらいいかなと考えております。議会の改革は定数と報酬を下げれば終わってしまうという市民と、議員もおります、残念ですが。そうじゃありません。議会というのは、市民の思いや願いを形にする、そのためには見えるところで議論をしていく、これが根幹ですから、そのことを一生懸命やって、それを市民に見ていただく、そんな形を私たちはを作ろうと思っております。多摩S1

 ◆ 多摩市議会−議会が市民に基盤を置ける仕組み作りをスタート
     議会が決算をチェック、予算に繋げる仕組み


多摩市議会副議長 安藤邦彦
【スライド1】もっと、よく見えて解かり易く!というのが、多摩市の議会改革のテーマです。この写真は、最初の出前委員会をやった時に、100名くらいの会場が満杯になりました。出てくる話は、給料減らせ、定数減らせ、そんな話から逃げないで議論していると、「もうちょっと説明してくれればよく分かるよ」「もっとしっかりやってくれれば、私たちも参加させて」、という話がどんどん出てくるようになりました。【スライド2】だから議会改革が必要です。二元代表制なんですが、PDCA(Plan計画, Do実行, Check評価, Act改善)に議会がいない、市長の陰謀か?議会のご意見もちょっとお伺いしながらで、大体飛ばされるんですね。とんでもないということで。それから北海道の夕張市議会さんのように、気がついたら多摩S2破綻していた、では済まないですね。うちの議会はうまくいっているから、改革なんて止めようという方がいらっしゃるかもしれませんが、市民はもう、議会を比較します。(財政破綻した)夕張市と(最初に議会基本条例を作った)栗山町、境を接して隣の町なんですね。(議会は)遠い存在、これが私たちが条例を制定するに至った最初のインセンティブでした。私たちの市は、選挙の時、大体5割くらいの投票率です。それくらいの市民の方たちと一緒にやっているつもりでした。議会は市民に基盤を置いているつもりだったんです。しかし、アンケート結果から85%が「知らない」と出ました。【スライド3】あなたは議員に意見や要望を伝えていますか?と質問したところ、このグラフから、85.6%が意見や要望を伝えていない。これ無作為抽出で1500名にしました。しかし、伝えたい意見や要望があるはずなんですね。なんで伝えていないんですか?という理由を右のグラフが示しています。伝える意見や要望がないという方もいますが、「伝える手段がわからない」というのがトップです。それから知っている議員がいない。そうすると、85%の方々のご意見や要望を議会に質量とも反映していくシステムを作らなければいけないというのが、共通認識で、そこからスタートし多摩S3ました。【スライド4】今、議会改革は理念から実践・応用の段階に入っています。学者の先生と私たち議員とでは、研究医と臨床医くらいの差があるのではないか。研究医である学者の先生は全国に共通する普遍的な論文を作ろうとされる。しかしながら、事、多摩市に置いて、一番最適なポイントはどこにあるのか、それをつくれるのは町医者である我々。今の多摩市の現状について、こういう処方箋を書くというのが、多摩市の議会基本条例じゃなければいけないのではないかと確認をしました。ただ、条例文作りだけでは意味がない。議員の温度差も一杯あります。その中で実戦的にどうつくるのか。私たちは共同作業の積み上げの中から、ベクトルを一致させながら、作って行きました。【スライド5】「実戦的議会改革への挑戦」。とにかく、議員の力量、議会の力量がアップしないのに形だけ作ったって消えちゃいます。平成13年頃、超党派の勉強会を始めました。自治基本条例を作った時に、市民案と行政案で、すごく違う。議員がはじめて条例案を作りました。21箇所修正した。この時に議会が傍観者にならないで済んだのは、議員それぞれが条例をつくる力量を持っていたから多摩S5多摩S4です。決算委員会の事業評価をしました。これは、二元代表制実質化への挑戦です。これは後でお話しします。議会改革の特別委員会を設置して、議会基本条例制定へと、一昨年できています。【スライド6】二元代表制実質化が根本命題です。機能強化、青臭いことを言いますが、議論による創造的合意形成をやります。「よく見え、参加できる議会」、しかし議会改革は、議員改革と市民改革の両方が動かないと実質になりません多摩S7多摩S6骨子として、条例化を伴うもの、伴わないものを作ってリストアップをして分けていきました。市民にとって議会改革の全体像というのは、市民にとって最適な意思決定システムの再構築です。議会というのは意思決定機関ですから、市の意思決定をどうするのか、そのシステムを作り直すということです。【スライド7】手法として、議員だけの議論にしない。市民の皆さん参加してください。しかしながら、“市民とは”、と小さく書きました。名前や顔も分かっている市民の方もいらっしゃるんですが、そういう方だけじゃないんです。これは後でやります。アンケート調査、出前委員会、参考人意見聴取、市長側と調多摩S8整、をやります。コンセプトとして、もっとよく見えて、わかりやすい議会、市民が参画する議会、しっかり議論する議会。【スライド8】最初の出前委員会やろうって時に、この写真見てください。駅頭で、超党派でマイク握っています。左から、自民党、共産党、民主、民主、公明、公明です。「皆さん、多摩市議会です」ってやるんです。(「多摩市議会」と書いた)腕章しているでしょ?私は公明党ですが、共産党と一緒にチラシ配っていると、「おまえ、何やっているんだ?!」と言われるんですが、「今日は議会でやっているんです」と言います。私が公明党のチラシを配りますと、市民の方受け取ってくれません。ところが、「多摩市議会です」というと、チラシがはけることはけること。これがすごく、議員として共通の体験となりました。 【スライド11】議会基本条例の特徴、3つ言います。1.議会による事業評価を予算へ連動させます。2.討議による創造的な意思決定をします。3.市民からの政策提案を受け止めます。新しいタイプをつくりました。【スライド12】議会による事業評価、従来の決算委員会では市長はリラックスしています。あちこちと散漫な議論をして、討論と称して、長々と解りにくい、総論から多摩S12多摩S11始まり各論へ、あの事業はどうの、この事業はどうの、とやりますけど、議会全体として、どういう傾向なのかということは、マニアみたいな人が議事録整理しない限りわかりませんよね。その討論を議会会報に載せても、読む人はいない。形式的認定で、(市長は)痛くも痒くもない。我々が決算委員会で一生懸命やっても予算に反映するわけでもない、解釈権が市長にあるなら、これはダメだろうって。【スライド14】多摩S15多摩S14決算委員会の実効性を高める必要性がある。決算特別委員会は、市民の代表による政策評価の場。外部評価外部評価って、インチキな市長は言いますけどね、外部の人をお招きして、お金払ってですよ、市民の方が来られる。専門性は結構ですけど、じゃ、その委員会で何かを決めた時に、市長に対して法的な対抗力があるかと言えば、ゼロですよ。市長に取り入れていただけますか?というだけの話です。ところが、議会が政策評価、事業評価をしますと、議会は予算審議権を持ってますし、条例制定権も持っています。これは市長に対する対抗力を持っているわけですから、議会こそが、決算委員会で市長に対してチェックをすべきである。それを来年度予算に連動させ多摩S16なければいけない。議会全体として明確なメッセージが必要なんだということです。議員一人一人が言っていたのでは、市長にいいようにやられます。ところが議会全体として、ある種のベクトルを合わせると、これは、おろそかにできません。事務事業評価が必要であると。政策評価しますと、ほわっとした形で終わってしまう。具体的な事務事業評価のほうが良いと思ってやってきました。【スライド15】さあ、改革だ!実効性と実現性と分かりやすさ。実効性は予算に影響すると。議会が動いていて、予算編成に影響力がなかったら、そんな議会必要ないと思いませんか?そして実現性です。現実の多摩市議会で合意をして、実行できなければ価値がありません。そして実際に市民にとって分かりやすいか、というのが大きな点です。集中審査をやりました。評価の点数化をしました。議会便りへの公表をしました。行政対応の明確化をしました。議会としてメッセージを伝えますが、答が来ないかぎり予算委員会をやりませんよ、と言ってあります。これが市長にとって、もの凄いプレッシャーになります。議会全体としてのメッセージを伝えますから、事実上、これに市長が逆らうというのは大変です。納得のいく答えがないかぎり、予算委員会、相当揉めますよということです。予算への連動、というのが、最大のテーマです。今、決算特別委員会と予算特別委員会を連結させて、財政委員会にしようという動きを進めています。【スライド16】今後の課題、議会全体としての評価の困難さがあり多摩S17ます。評価の妥当性と明確さとは、この辺、非常に問題があります。それから市民にとって分かりやすか、ということです。【スライド17】それから2つ目の特徴として、議論による創造的意思決定。コンパクトで質の高い議論、生産性、が問題です。うちの議会では、1分あたり、2万円のコストがかかっています。3分で済む話を30分与太話したら、これ税金泥棒です。議論の生産性にきっちり気をつけています。こういったこと(スライドの内容)をしっかり意識してやっています。そうは言っても、志と信頼関係、議案では譲りませんけど、議論している相手を人間的に否定しているわけではありません。無駄な喧嘩をしてもしょうがない。【スライド18】多摩市議会の特徴であります、市民からの政策提案をきっちり受け止めます。「陳情」・「請願」という言葉を止めたかったのですが、無理でした。市民の皆さんから政策提案したいんだけど、特定の政党や議員に頼むのは嫌だ、議会全体で受け止めてほしいという意見がありました。議会として、市民政策提案を承ります、としました。これは今日の資料、開けていただきますと、真中の右側に大きな図がでています。市民からの陳情・請願・市民政策提案というのが左方、これは、市民政策提案を陳情・請願と同じに扱います。線路を複線型にして、陳情・請願という線路と、市民政策提案という線路を2つ作りました。陳情・請願を消せないので。市民政策提案のほうが主流となっていけば、というふうにしました。それから意見交換多摩S18会、議会報告会で市民の皆さんの意見が出てきます。市民政策提案として出される方は、力のある素晴らしい市民です。でも、全部がそうじゃないですよね。市民の意見は断片的だったり、利己的だったり、玉石混淆です。それを注意深く聴いて政策にするのが議員の役割だというのが我々の合意です。いろいろな意見を、委員会で政策化して、出来上がったものを市民に報告をする。「隣の猫がうるさい」って言っていた人、「隣のカラスがどうのこうの」と言っていた人に、これ「多摩市のペット政策」、「多摩市の環境政策」として、こういう条例にしましたと言って、あなたのご意見でこういう政策になりました。と、ご報告ができればとやっています。市民の発言認めます。これ、開会中に発言することを許しますという条例にしました。但し、これは名前も残りますし、場合によっては責任も問われます。それに承諾し署名をした人のみ、発言が許されます。ハードル高いから(市民の発言)ないんじゃないかと思っていたんですが、今まで、何人も発言され、記録に残っています。それほど市民の皆さんの意欲って凄いんだなと思いました。条例制定のその先に、ということで2年半、試行錯誤してきた意義、実は条例が施行されるまでは3年かかっています。しかし、この間に、試行的なものを一杯やってきました。条例の中に、市長の政策を事業評価すると9条に書きましたけど、これは実際に何年間もやってきているから書けることです。以上、多摩市では、このようにやってきました。

 ◆ 所沢市議会−「書いてないことはできる」を“文化”に 所沢s1
        作業部会と工程表で推進


所沢市議会議員 桑畠健也
: 議会基本条例について知らない人もいるとお聴していていたので、簡単にですが、議会基本条例についての前説として、地方分権推進委員会最終報告について少しお話しさせていただきます。【スライド2】多分、皆様の議会の中でも、いろいろ議会のあり方について言われていると思いますが、これを見て分る通り、地方分権推進委員会においても国においても、基本的に地方議会は大胆に見直していこうという方向性にあると思います。それに対して、しっかりとやって行かないと「もう地方議会は要らない」と言われているなかで、その問題意識がしっかりと共有化できるかどうかということだと思います。【スライド3】それから当然ながら、この地方分権推進委員会の答申に従って、これが意外と知られていないところですが、全権限性が付与された。そして、地方自治法第1条の2に、「自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」まさに、日本国憲法が要請していた所沢s3「地方自治の本旨」所沢s2のうち「団体自治」を実現する舞台が一応整ったと、私は、まさしく静かなる革命だ、と思っているところです。それを受けた形で、地方議会や地方公共団体が、「住民自治」を実現するために、さてどうするのかというのが、自治基本条例であり、議会基本条例であると、私は思っています。先程、手をお挙げになったのを見ると、殆どの所の議会の方々が、なかなか議会基所沢s3本条例に踏み出せないということだと思います。【スライド6】じゃあ、なぜ所沢市はできたのか。どうやったら、自分の議会で実現できるのかが皆さんの一番ご関心のあるところだと思います。まず、私が所属していた会派のマニフェストの中に、掲載をいたしました。おかげさまで、その会派マニフェストはマニフェスト大賞優秀賞をいただきました。残念ながら今は、その会派は解散してありません。もし議会基本条例を実現したいというのであれば、議長選挙ですね、うちは4年間で4回、議長選がありますから、ここで積極的に参加していかなければ他の議員に対して説得力はありません。ですから、そういった人事から逃げていたのでは、なかなか実際にはうまくいかないというところはあります。もう一つは、一問一答というのを、どうしても導入したいというのがありましたが、なかなかこれができませんでした。結局、こういう個別のイシュ‐(問題)を議論していくと行き詰るんですね、一問一答を導入するなら、時間制限を設けろ、時間制限を設けるなら、一問一答はダメだ、これをずーっと3年間やってダメだった。視点を変えて、議会改革ということで、その中で一問一答を所沢s7位置付けていこうということにしたのですね。伊賀市を訪問させていただきましたし、京丹後市も視察しました。視察もいろいろご批判を受けますが、視察に行ったら何もしないのもおかしいじゃないか、ということが、一番説得力があると思います。京丹後市というのは、皆さん御承知かと思いますが、天橋立の先にあるんですね、天橋立を見て、そのあと京丹後を見て。そこまで行ったんだから、やっぱり作りましょうということで、特別委員会をつくりました。多くの議会基本条例は、合併というのがきっかけとなったようですが、所沢市は合併がありませんでしたが、新市長の登場で、4期16年続いた保守系の市長が辞められて、女性の民主党の市長になった。これでもう、多くの人がいわゆる野党議員になってしまった。ですので、議員も気楽になったということがあります。これは大きな要因です。残念ながら、この市長さんも先日の選挙で落ちましたが、やはり首長との力関係というのが、議会では現実に非常に大きいですから、それ(影響)は大きかった。それから、自治基本条例の存在ですね。自治基本条例の中に、議会条項とい所沢s8うのを勝手に作られてはたまったもんじゃないということで、自治基本条例については、市長が作りたいということだったので、何とかその前に(議会基本条例を)作ろうということでした。そして、何と言っても一番大きいのは、所沢市議会は議員が若いです。今の議長も34歳。前期は2期生が、今は、3期生が一番多い議会なんです。これ正直言って大きい。いろんな要素がない交ぜになって議会基本条例の制定に突き進んだのです。【スライド7】2008年6月に、議会基本条例制定に関する特別委員会「制定」という言葉を委員会の名前につけて実施をしたわけです。【スライド8】制定時に私が委員長をさせて頂いたんですが、1回目に確認事項というのを確認し、2回目に、配布資料にもある工程表をつくりました。【スライド9】確認事項というのは、まずは、21年3月議会を目途とする。要するに、3月議会までにと、おしりを決めたんですね。それから、「工程表に則って委員会を進めますよ」ということです。いつまでに何をやるかということを、一番最初に、そういう形で進めますということを確認しました。なぜなら、「制定」のための委員会ですからということで。それから、条例素案を作業部会で案を作成する、この3所沢s9つをまず、委員長である私からお示しをし、これについてご賛同いただくという形をとりました。作業部会を編成し、6回くらいやりましたが、その中で素案をつくりました。まあ、率直に言いまして、このころ議会基本条例は、まだ海のものとも山のものとも分からないということで、事務局は積極的に手伝ってくれないという状態だったんですね。これが重要なポイントでして、事務局に任せてしまえば、ラクにいくのかもしれませんけども、自分たちでやる覚悟を決めてしまうと、意外と早く進みます。部会の中の資料なども全部自分たちで作るということにしました。作業部会といのは面白いんですね。勝手にやっていいんです。全員揃わなくていいし、いつやってもいいし、議事録取らなくていいから事務局が関係なく進められる。しかも、12人の委員会、各会派から来てもらって、(その中から)1期生を中心とした議員6名で立ちあげて、カット&ペーストで既存の条例からどんどん取って来て、表にして、案を作っちゃおうということで、最終案を始めから仕立て上げていった。先程多摩市議会さんが骨子ということを言われていましたし、流山市議会さんも骨子と言われていましたが所沢s11うちの場合は、骨子は止めて、条例案で勝負しようと、最初から条例案で行きました。これを叩いて所沢s10行く。こうしないと9カ月で終わらないからです。【スライド10】工程表です。主にそれぞれの各定例会を節目にして、6月から9月に委員会案、9月から12月までを議会案、12月から3月までを市民参加と決めて、どんどん進めて行きました。これももう各会派に承認してもらっていま所沢s12すから、工程を変える時も、各会派に戻って確認してください、としました。【スライド11】これで2月の26日に無事、全会一致で、可決しました。運用の詳細は議会委員会で議論することとしました。【スライド12】制定プロセスの特徴ですが、今言ったように条例原案を議員が作成しました。そして活発な市民参加ということです。それから専門家の活用ということで、幸いにも、法政大学の廣瀬先生が所沢市民ということもありまして、様々な形でアドバイス頂きました。それから、制定過程を明確化したことです。一番大事なポイントは、栗山町の議会基本条例が議会の活性化を後退させないためのものということですが、所沢市議会の場合は、議会基本条例を作っていく中で議会を活性化していこうという形で進めてまいりました。【スライド13】条例の特徴ということで、主に5つ、これも資料にあります。【スライド14】前文ですが、これが一番面白い。他の部分はそれぞれ部会で作ってますが、前文というのは、人の意見を集めて出来ないところなんです。最後は「エイヤー!」って作らないとできない。前文は、委員長、副委員長で作りました。左側は、東京大学名誉教授の大森彌(わたる)先生、この方もかつて所沢市民だった方で、所沢s14所沢s13大森先生がよく言われるんですが、日本国憲法においては、議会は必置とあるが、長は必置ではない。およそあらゆる民主国家において、長を置かない自治体はあっても、議会を置かない自治体はないということです。これは一つの我々の合言葉になっていまして、これを入れてやろうと、ま、負け惜しみみたいなもんですけど。もともとこれはGHQ草案の中には、長も必置、議会も必置だったのです。でもなぜか、それが、議会だけが必置になってしまって。所沢s5議会が憲法上の機関であることを象徴しているわけです。【スライド5】2つ目、これは廣瀬先生からご示唆を頂いたのですが、地方自治法、第96条の第1項に15項目の仕事があって、これまではこれ以外、議会はやってはダメですよ、と私も議員になりたてのころ、事務局から言われたんですが、これはウソですね。地方分権改革を経て、それは必要的議決事項、つまり最低限やってほしいということに変わるわけです。「この条例の定めるところによって、法律に反しない限り議決すべき事件を定める権限等を有する。」これは第96条の第2項のことなんですね。権限等、の「等」というのが、非常に大事です。これは所沢市議会基本条例でいえば、特に付属機関のことです。先程、伊賀市議会さんのほうで、報酬と定数の問題を議会のほうで扱われるとのお話でしたが、うちも今、議論をしているのが、市長設置の特別職等報酬審議会ですが、これは実は大変危ない存在です。ほっておけば、首長が本気になって議員を締め上げようと思ったら、報酬審議会を自分の仲間内で固めて、議員の報酬が、極端にいえば100円とかになってしまう可能性があるわけです。議会には付属機関設置というのが認められないというのが総所沢s16所沢s15務省の見解だったのですが、今はそういうことはありません。付属機関設置というのは地方自治法上、執行機関の部分にだけはあるのですが、議会にはないからダメというのがこれまでのロジックでしたが、今はない。三重県議会の議会基本条例の付属機関設置のときに、総務省とやりとりをして、(議会に)付属機関設置はかまわないという見解が出ているそうです。何が言いたいかというと、実は所沢市議会が、議会基本条例を通じて“文化”として身に付けつつあるポイントは、「書いてないことはできる」ということ」。「書いてない所沢s18ことはできない」というのが従来の、所謂、機関委任事務時代の議会のありようだったわけですが、今は、書いてないことは何でもできるんだ。議員の方なら良く分かると思うんですよ、これは公職選挙法と一緒なんです。公職選挙法は書いてないことは何やってもいいんですよ。議会も同じで、書いてないことは何やってもいいっていう、その“文化”なんですよ。ですからさっき言った部会とか、工程表とか、地方自治法には書いてないんですから。そういうことをどんどんやって行こう、というのがある程度見えてきたかな、というところです。【スライド15】もう一つのポイントは、この3者の関係、特に、この赤で印した「@双方向の関係構築」のところ。東京財団さんでエセ基本条例を斬る、で強調して言われるところの部分ですが、ここが今回、議会基本条例において、伊賀市議会さん、多摩市議会さん、我々にとっても、一番大事なポイントだと思います。【スライド16】@に関しては、条例上は、会議の原則公開、公聴会・参考人制度の積極活用、議会報告会、意見提案手続き、ですね。【スライド18】A議員間討議充実、の部分、これがうまくいっていないんですが、執行部出席要求の抑制、所沢19政策討論会、これは伊賀市さんの要綱をマネさせていただいたんですが、これはなかなかうまく行きません。本当に政策討論会をやりたいテーマは、結局やれないんですよ。かと言って、みんながやってもいいというテーマは盛り上がらないという、こういう矛盾を抱えています。(注:平成24年2月4日に、「地域活性化と所沢ブランド」をテーマに実施が決定)正副委員長連絡協議会は今やっています。あとで報告します。【スライド19】B健全な緊張関係、ようやく一問一答できました。反問権は、一問一答をやる以上は、入れなければ許さないという会派がありまして、入れました。しかし、これまで行使されていません。反問権については、行使された段階で、議運(議会運営委員会)でその扱いを決めるということになっています。閉会中の文書質問、これ多摩市議会さんもお持ちですが、これは意外と少数派ですね。それから議決事件の拡大は別条例で示しています。うちの議会基本条例のあゆみと特徴ということで、前半は以上です。

司会: これから、基本的な質問、例えば、こういうところが良く分からなかったなどの質問を受けます。

参加議員A: 群馬県桐生市から来ましたIと申します。うちも一問一答やっているんですが、一つの質問に3回までの一問一答、一般質問で9つの項目があれば、3掛ける9となるし、時間制限もあります。お聞きしたいのは、一問一答やるなかで、回数制限や時間制限はあるのか、全くないのか、また、どのように決めて行ったのかでしょうか?

伊賀市 安本: なぜ、一問一答をするかという原点ですね。市民の皆さんは議会議員が当局に質問しているのは分かりづらいというお声を頂戴したので、一問一答で分り易くするというのが、原点です。一般質問60分、答弁も含めて、と設定しており、回数に制限はございません。

多摩市 安藤: 多摩市議会では、私が議員になった14年前から、一問一答制が当たり前になっていました。片道で一般質問35分です。ただ、今これの良い面、悪い面、議論されています。一問一答でやりますと、口喧嘩みたいに、5秒立って座るとか、そんなものまで入って来て、本当に質の確保ができるんだろうか、逆に、きっちり回数が制限され、時間が制限されているほうが質の高い議論ができるのではないだろうかという議論が始まっています。10何年間、当り前のようにやってきましたが、質の高い、生産性の高い質問のためには、どういうことが適正なのかという議論が始まっています。

所沢市 桑畠: 所沢では、一問一答は回数制限はありません。往復1時間です。それ以外にも、従来通りの、一括質問一括回答もできるし、最初は登壇して、2回目から一問一答もできます。この3パターンあります。

参加議員A: もう1点。多摩市で、逆に、質の部分が出て来たと思いますが、3回で切ってしまうと、当局がはぐらかして逃げるのではないかと。3回では、「鋭意努力します」と、逃げて終わってしまうのではないかと。どうやったら、質を高くし、回数を減らせるか。例えば、九州のどこかの議会で、時間制限なく、回数制限もなくしたために、例えば、一人の議員が一つの問題だけに1時間やったと、当局に10何回も同じような質問をして、やり取りしていたら、当局は、いついつまでにこうします、とはっきりと言うようになったそうです。それからは回数も時間も少なくなっていったということもあったので、どうやったら、質の高さもあり、回数を減らすことができるのか?そういうところを教えてください。

伊賀市 安本: 一般質問に二通りあると思います。市民の声をしっかり受け止めて、そして市長に政策を訊いて論議をする場合と、自己満足のために選挙運動のような一般質問をしているという、大きく分けて2種類があると思います。当議会でも、そういう問題はあります。やはり、議長はその時、議事整理権を行使し、同じような質問があれば、先程言ったので方向を変えなさいとか、同じ答弁は控えなさいとか、そのように進行しています。

多摩市 安藤: 回数をあんまり制限すると行政側に逃げられるという心配、仰る通りだと思います。だけど、逃げられるような質問するなよ、というのがまずありますね。自分の力量を棚に上げて、訳の分らない痴話喧嘩みたいな質問繰り返してね、逃げられたと言うのは、あなたの力量が足らないんじゃないの、ということかと思います。私たちは、回数を制限することには賛成をしません。但し、片道35分という時間内できちっと抑えなさいと。私が副議長の時に、口喧嘩みたいな話になってきたら、これは制限をします。「もっと論点を整理して、きちんと訊いていただけませんか」と。今は、そういう形で進んでいます。

所沢市 桑畠: それは、押し問答のことだと思いますが、うちでは、議運の申し合せで、押し問答はダメとなっています。押し問答はしちゃダメなんです。でも、押し問答でない場合は、仰られる通り、私も3回でずっとやってきたんですが、4回目に引き出しましたよ。余計な話ですが、水道の利益を一般会計に繰り戻せるって話があって、今までは、3回まで「んんーん〜」と言っていたのが、とうとう4回になったら「できます」と言ったんですね。ですから、効果がありますが、やはり押し問答を、議会として、議長も議運もコントロールできるかということはセットでやらないと。

参加議員B: 伊賀市議会の安本議長さんにお伺いします。私は(神奈川県)二宮町のHと申します。議長の選出方法、通常ですと、事前に議員何名か親衛部隊をつくってやるんですが、あなたの議会ではどのような方法であなたが議長になられたのですか?それから、多摩市議会で決算委員会を予算に反映するとありましたが、その中での問題とか、決算が予算に反映されないとか、先程、予算委員会開かないよ、という話がありましたが、そういうことがどの程度あったのか、お伺いします。それと、所沢市の議員の中で、(地方自治法)96条第1項の議決事件、それがどの程度まで、私たちも長期計画とか、まちの今後に対するプランを議決事項にしようと思っているんですが、それをどの程度おやりになっているかお伺いします。

伊賀市 安本: どうして議長になったのかとのご質問にどのようにお答えして良いかわかりませんが。どこの議会にも改革グループというのがありますよね。ですが、数が少ないから、どんなことをしても、どうしても否決されます。議員提案しても否決されるのが現状です。そんな中で、合併前の旧上野市時代の20分の8が改革グループでした。もちろん、8人ではどうすることもできません。そうして合併をして今日来たわけなんですが、選出方法は立候補制です。3人の推薦者をつけて立候補します。そして所信表明会をやり、そののち候補者に質疑応答があります。その後投票をします。平成18年の立候補は(私は)議会基本条例の制定というのを公約に、立候補しました。応援団もあったんですが、任期は1年です。その1年間で大変だなという思いがありました。なぜ議長になったのかというと、議会というのは合議体ですから、議長という権限を持ち進めて行くのが、もっとも近道と思ったからです。2回目の議長に立候補したのは、そろそろ4年経って5年目を迎えますので、議会基本条例を見直す必要があるのではないかと。現在、報告会では市民からテーマを頂戴しています。「今度、これで議論してほしい」と投げかけられます。このように市民の関心が高まれば、議会との距離が近くなります。これも議長としてのリーダーシップと権限だろう、という認識を持っているからです。

多摩市 安藤: 私のところも所信表明会をやって、私は26名中24票をいただいて(副議長に)当選しました。お尋ねの件ですが、説明をはしょったんで誤解されたかもしれませんが、決算特別委員会で事務事業評価をしまして、その結果をこういう評価表にまとめます。そして議会全体で事業について総合点をつけます。そして市長に対して、決算特別委員会の報告書をお渡しします。この事業については、相当問題があるぞとか、点数がもの凄く低い事業の場合、過半数の議員はこのままでは予算通す気はないというメッセージになります。この突き付けたものに対して、市が、市長がどのように対応したかということ、答を必ず持って来てくださいね、というようにしています。これは条例上も担保されています。毎年、1月の終わり頃、予算の内示の前の段階で、決算特別委員会の報告書に対する答をもらいます。答をもらったうえで、内示を受けて、それで予算特別委員会になります。今まで予算特別委員会が開かれなかったことはありません。必ず答が来てますから。私たちはそれを評価して、予算委員会に臨みます。議会からのメッセージによって、次の年、いろんな事業の予算が極端に減ってみたり、その事業が廃止になったり、それから、その事業のある部分が際立って来たり、というのは事例として沢山あります。多摩市議会は議会からのメッセージが予算に反映できるシステムを作って実質化しようと、今どんどん動いている最中です。

所沢市 桑畠: (地方自治法)96条の第2項ですね。追加する議決事件ですが、所沢市の場合は別条例にして、条例化しています。その中で内容としては、総合計画の基本計画の策定、それから都市マスタープランと言われる20年に1回の都市計画に関する基本的な方針の策定、変更または廃止、この2つ。これはあまり増やすと、議会を縛っちゃうんですね。変に議決事項にすると反対ができなくなってしまうんです、その計画案については。最初10何項目リスト作ったんですが、この2つに落ち着きました。余談ですが、この条例を作る時に執行部が基本計画を総合計画から無くしたいんだけど、と話してきたんですが、冗談言うんじゃない、と。それは残ったという経緯がありますが、これも、よくよく条文を考えて作らないと、その対象とする議決すべき事件を、名前を変えてしまうというのが、よくやられるパターンですので、お気をつけください。

参加議員B: 再質問です。安本議長にお伺いします。どこの自治体でも(議長の)立候補制とか選挙のやり方は決まっていると思います。但し、どこの議会も事前に人数調整したり、談合野合がはびこっていると思うんですよ。それが、日本の国の、そもそも根幹にある地方自治体が選挙制度を有効に活かしていないだろう思うんです。もっともっと議長になりたい人が、オレの言うことに賛同してくれ、って堂々たる論議があっていいと思うんですが、それが省略されちゃってる。今お話し聴いていると伊賀市議会では、そういうことが行なわれているというので非常に嬉しいことで私たちもマネしたいと思っています。今、5年も議長をなさっていると仰った・・(回りから、「違う」との声)

伊賀市 安本: 議会基本条例を制定して5年目を迎えたということです。

参加議員B: じゃ、安本議長は何年おやりになっているんですか?

伊賀市 安本: 1年任期ですので、今が2回目の議長職にいます。

参加議員B: わかりました。ご苦労さまです。多摩市議会さんですが、多くの事業があると思うんですが、それのすべてに対して評価するのでしょうか?それとも、自分たちで、これおかしいよ、と抜粋してやるのでしょうか?また所沢市さん、私どもでは現在、おたくの案を参考にさせてもらって進めています。

多摩市 安藤: 多摩市は決算特別委員会を9月議会でやっています。6月の出納閉鎖からごくわずかなんですが、8月の中旬には大体400から500の事業について、事業評価カードを作ります。電話帳2冊分くらいあります。これだけの事業について、評価の特徴はできるだけフルコストで出すようにしています。例えば100万円の事業に職員を10人付けたら、行政コストは1億100万円ですよね。これがしっかりと出るように作っています。また、予算をつくるときに、この事業による達成目標、アウトプットをきちっと書いています。例えば、この事業によって、1000人分の相談を受けますと書いてあります。ですから、決算の時にはそれが評価をできるわけです。議会においては400も500もできるわけではありませんから、事務事業の精選をやります。学校の先生が教材の精選をやるのと同じです。これは象徴的な事業とか、市長が重点的にやっているもの、予算が特に増えたもの、それから、議会が市民のお話を聴く中で、重要と思われる事業を選んでやっています。毎年、10から15くらいです。精選のし方というのが、一つの勝負で、決算特別委員会が9月ですから、6月議会が終わった時点で、決算特別委員会の委員長、副委員長、理事を内定します。そして、6月議会後から夏休み中に理事会が、今回はどんな事業に絞り込むか、そしてどのような評価をするかということを徹底的に議論をします。毎年やる方法がどんどん進化しています。この内容は多摩市のホームページの議会だよりを見てもらえれば、全部出ております。毎年方法が変わっているということが分かってもらえると思います。

参加市民C: 相模原市議会をよくする会のAですが、今、議長(職)がたまたま問題になっているんで、議会基本条例というのは、あくまでも地方自治法の範囲内でやっていると思うんですが、皆さんの条例の中に、議長の任期について規定しているところはあるんでしょうか?今、お話を伺っていると、先進的な伊賀市でさえも、1年交代を当り前のようにやってますが、自治法には、議員の任期の間、議長は任期になってますよね。それを全く考慮されないで、これを見ると、議長の任期について規定が全くないものですから、これが一番、僕は問題だと思います。議長の選挙のあり方どころか(ではない)。(議員の)選挙の直後に、4年に1回、(議長選を)やるならわかりますよ。だけど、毎年やるのが恒例だとか、“申し合せに”より、1年、2年とするという。自治法では4年と言っている以上、皆さんはそうしなきゃいけないはずでしょ?こうしたことをどのように考えて、この議会基本条例に(議長任期)入れてないのか、あるいは入れようとしたけども、できない相談だったのか、お伺いします。

伊賀市 安本: 大変厳しいご指摘でございます。議長の任期が1年というのは、おおよそ、“申し合せ”だろうと思います。これが良いのか悪いのかという議論になりますけど、議会の議員の資質、一言で言うならば資質です。議会という所は、何をする所かということを理解していらっしゃる方は、おおよそ組織の一員として、やっぱり議長の任期というのはせめて2年くらいやって、そして副議長さんは1年くらいで議長を養成していって、それぞれリーダーシップをとっていくものだろうと思います。かつて財源が豊かなとき、国から県からお金をとってくるということが横行していた時に、議長は一年交代で誰がやってもいいんじゃないかと。これは市民にも責任があります。そういうふうな流れがいまだにあると思っています。私は議長任期1年というのは、限られた財源の中で、市民の皆さんの幸せ度をアップするための組織としては、やっぱり最低2年くらいはね、自治法は4年ですけどね、2年くらいは必要ではないかという思いは持っております。とりあえず議長にどういう理由でなりたいか、改革するために議長というポジションが欲しいのか、後援会がそろそろなれというからなりたいのか、というふうなことの議員の資質の表れだろう、と思っています。でも、それらの議員も市民の皆さん方が選ぶわけです。

参加市民C: (マイク通さず、)質問は、なぜ基本条例に含めなかったのか・・・

多摩市 安藤: はい、わかりました。議会基本条例を審議する時に、そういったことは議論されました。法律上は、勿論、議長は議員の任期による、と書いてあります。しかしながら、私たち多摩市議会でどうしようかという議論をしました。4年に1度、任期が始まった時に選挙しますとね、新人議員の人は、誰に投票していいかわからないです。所信表明会はもちろんやります。じゃあ、4年という任期はどうなんだろう、うちは2年にしてます。これは2年間で中間評価をするという意味でやろうねと、議会で議論しました。中間評価ですから、もう一回連続してされる方がいても、それはそれで結構だろうと。しかしながら、多摩市議会では2年を一応目途とする、という“申し合せ”にしました。法律の字面だけ捉えてね、けしからんと言うのは、ご自由かと思います。4年任期にしたら、とんでもない人が議長になった時に、辞めさせられないですよ、現実問題として。議長不信任案だしても、辞めさせる実行力がないですから。現在の法制度がそうなっている以上、法律を変えるというのは国会でないとできませんから、私たちは現場で対応しよう、うちの議会で議論した結果としては、2年間という、仰る通り、“申し合せ”という形でやっています。自発的辞任という形を取らざるを得ないのは、私たちの議論では、法律上の不備であると言わざるを得ません。こちらの方々(2人のパネラー)に申し訳ないですが、議長が1年交代というのでは、議長の仕事できませんよ。1年交代というのは誰でも議長になれるという意味です。力のない人が議長になれるということは、お役人がすべてをやるってことなんです。これは官僚主義です。うちの議会では、議長の権能がすごく重いですし、それなりに実力がなくてはいけない。そういったところをしっかり議論したうえで、このように決めています。法律には「副議長は、事故ある時に交替する」とぐらいしか書いてないですが、うちの条例の中では、あえて16条の4項に、「議長が欠けた時、議長の職務を行なう」というのは当り前ですけれど、「議長を常に補佐する」と書きました。だから私、副議長ですが、相当普段からいろんなことをやっています。議長とペアを組んで、ひとつのチームとしてやっているような感覚です。今のところそれで、総務省からもどこからもけしからんと言われておりません。うちの議会で合意しました、法律を字面だけで捉えるのは止めようって。

(参加市民Cが、「字面で捉えないって、法律の意味がない・・・」のような発言。マイクを通してないので、不明瞭。)

所沢市 桑畠: うちは議論はありませんでした。


第2部  議会基本条例その後−成果、課題

第2部は、当会顧問の専修大学法学部教授の小林弘和氏がコーディネーターとして進行された。

小林: 後半のスケジュールですが、コメンテーターをお二人お呼びしていますので、そこから始めます。後は、3議会の前半ではお話いただかなかった部分(C施行後の成果、D今後の課題)をお話ししてもらいます。その後、フロアーからのご質問や意見交換をするという流れで行きたいと思います。早速、福嶋さんからどうぞ。

元我孫子市長 福嶋浩彦: 私は自由にお話ししたいと思いますが、念のため、私が話すことは政府見解ではありません(会場笑い)。私は総務省の幹部、ましてや総務大臣ではありませんので。消費者庁長官が、なんで地方自治のことを勝手に言っているんだと、総務省から抗議されそうですから。政府見解ではないので、よろしくお願いします。
  言うまでもありませんが、議会というのは合議制の意思決定機関です。きわめて重要な意思決定をする機関です。合議制の意思決定機関ですから、議論をして決定するのが仕事なわけです。誰が議論するのか。まず構成員同士ですね。また、執行部と徹底して議論をする、それから市民と徹底して議論をする。そして決定するというのが、議会の仕事であると思います。私は20代の時、最初に市議会議員になりました。今から30年近く前ですが、最初の議会で懲罰動議を出されたのです。何で出されたかというと、前の議員の質問を受けて、「さっき言った議員の発言の、ここと、ここと、ここが間違っていると私は思う。私はこう考えるけど、執行部はどう考えるか?」と質問したら、「議員を侮辱した」といって懲罰動議を出された(会場笑い)。執行部を批判してもいいけど、議員同士批判してはいけないと言われたんです。ということは、議員同士議論するなということですよね。30年近く前にそういうショックを受けた所から始まったんですが、じゃ、懲罰動議やるならやってみろと開き直ったら、向こうが腰砕けになりました。
  それから11年間議員をやって、市長になりましたけど、市長になった最初の予算委員会で、市長選挙が1月で、3月に予算委員会で、ほぼ前の市長が作った予算ですが、でもまあ少し変えて、それを説明したんですね。私は議員の時、ちゃんと執行部が真正面から答えてくれないのが不満でしたから、きっちり答えようと思って、「これは直してこうなっている」「これは確かにおかしいけど直すには時間がかかる」「これはやむを得ない。これでいいんだ」と、答弁をずっとやっていたんですね、そうしたら、予算委員会の終わりの頃に、隣にいた財政部長が、「市長、もう議員の皆さんは、市長の見解、市長が正しいということは十分わかったでしょうから、そろそろ謝らなければ予算が通りません」と言うんです。つまり、議員の質問にきちっと答えていると、議員は論破されたように感じて不満で、フラストレーションが溜まる。これでは予算が否決される。だから、謝ってくださいと。「議員のご指摘はごもっともですが、申し訳ありません、今回はしょうがないので、何とかよろしくお願いします。申し訳ありません。」と謝ってくださいと。それはもう、執行部と議員がきちんと議論しないということじゃないですか。それはおかしい! また、けっこう議員さんがトンチンカンな質問や間違ったことを言っても、決して恥をかかせないように、「○○先生のご指摘については・・・」と、(執行部が)うまーくフォローするんですね。後に我孫子市では「先生」という言葉は禁止になりましたが、そういうのは良くない。議員がおかしければ、堂々とおかしいって指摘しないとダメだ、ちゃんと議会で議論しようって、それ以降、ずっとやってきたんです。まあ、市長を終わる頃には、議員と堂々とわたり合える幹部は何人かできましたが、なかなかこれは難しい。私の時は、議会基本条例も反問権もありませんでしたけれども、反論権は勝手に行使していました。答弁で反論はできました。「○○議員はこう質問したが、ここはおかしい、この点は全く不適当だ!」とか反論していました。とにかく、きちっと議論しなければいけないだろうと。私は与党・野党一切作りませんでしたし、根回し・調整も一切しませんでした。全部、市民が見ている前できちんと議論しようということでやってきましたから。与野党なし、根回し調整なし、但し、否決・修正あり、っていう議会でした。それをどこまで高い質でやれるかが課題だと思っていました。
  もう一つ、(議会が)市民と議論をする。残念ながら我孫子市議会は、私が市長の時、十分これをやってくれたとは思っていません。議会への市民参加をちゃんと権利として保証していくというのは、市長の立場ではできない。議会との馴れ合いを断つことはできるけれども、議会ときちっと議論することはできるけれども、議会が市民と結びつくことは、議会自身がやらなければできない。ここは、私がどうしようもなかったことです。でも、ずっと今、我孫子市議会の改革も続いています。(当時)ちょっと下心出して、市の行政のほうの懇談会とか、審議会、市民の委員会、そういうものは傍聴者の発言を認めるという仕組みにしたんです。ちゃんと議事録に載る正規の発言として、傍聴者の発言制度を作りました。これが議会に波及しないかなと思っていたんですが、残念ながら私の時は、全然波及しませんでした。でも今日、多摩市議会ですか、市民が積極的に議論してくれているというし、戴いた資料では、取手の市議会では、傍聴者に発言を認める制度を検討しているということで、確実に広がってきているようなので、今日のこの会に出席して、大変心強く思っています。
  もう一つ加えたいのは、自治体は、単純な二元代表制ではありませんよ、ということです。私は、二元代表制を言い続けてきましたが、単純な二元代表制ではないんですね。自治体は直接民主制をベースにした間接民主制。直接民主制を土台に置いて間接民主制を入れている。その間接民主制の部分が二元制だということです。国の場合は、憲法の前文で、国政における権力の行使は代表者がすると明記されていて、国民は直接、権力行使しないと憲法に明記されている。ですが自治体は、市民も直接、権力行使をするんです。自治体での権力行使は、選挙で選んだ首長と議会、そしてと市民の3者が権力行使をする。土台としては直接民主制となっている。先程(所沢の桑畠議員の説明で)、憲法で、議会は必置だと明記されている、ということでした。それはそうなんですが、ただ、地方自治法では、町村は議会必置ではないですね。議会は置かなくても、住民総会に替えてもいいと、地方自治法はなっている。その地方自治法が憲法違反だという議論は、一つも出てきていません、今まで。憲法学者から、地方自治法が憲法違反だという議論は、一つも出てきていません。何故かというと、憲法が地方自治体に対しては直接民主主義をベースに置いているからだと、私は思っています。どういうふうに置いているのかを詳しくお話しする時間はありませんけども、もし、ご質問があれば、いくらでもご説明いたします。ここがとても大事だと思います。私は市長時代、12年間自治体を運営した時、ここを一番頭に置いてやってきました。そうじゃないと、市民参加とか市民参画という意味が中途半端になる。議会への市民参加・市民参画も同じだと思っています。議会からは、「我孫子市長は間接民主制を代議制民主主義を否定している」と批判されましたが、憲法で要請されている地方自治の姿というのは、直接民主制をベースにした間接民主制だと思っています。
   最後に、今、私は1年余り、国の行政機関の長をやっていますけども、国の仕事をして改めて思うのは、やっぱり自治体が地域が変わらないと、この社会は変わらない、この日本は良くならないと本当に痛切に思います。市長や知事をやった人で、「自治体でやってきたが限界がある!やっぱり国を変えないといけないから、国会議員になった」という方が結構いらっしゃる。そういう方を批判するつもりは全くありませんけれども、私は逆の感想を持ちました。自治体が変わらなければ、決してこの社会は変わらないと思います。ただ、自治体はまだまだで、国の基準ではなく、住民の意思で自治体を運営するのだという気概が、そういう強い思いが伝わって来ないんです、自治体と会議をしていても。それは自治体の職員のレベルということもあるかもしれないですが。
  先程(冒頭で代表から)、議会を改革する確実な方法は、議会基本条例を義務付けることだと、それが(本会の前々回のシンポジウムでの)投票で一番多かったというお話を聴きました。そうなった経過などは全然分かりませんが、義務付けるというのは、恐らく、法律で義務付けるということだと思います。国が強制してくれるのが、一番議会改革が進むというという回答だったということで、住民の意思で変えるのではなくて、国が法律で義務付けてくれるのが一番確実だというのが多数だった。これ、確かに現実はそうだとは思います。それを否定するつもりはありません。ただ、非常に残念な悲しい現実だという認識を皆が持たなくてはいけない。その現実自体を変えていこうというのが私たちの取組みだろうと思っています。

小林: ありがとうございました。ちなみに、福嶋さんが我孫子市長をされてお辞めになってですね、3ヶ月後かに私、議員研修で我孫子に行ったんですよ。議員さんが言った言葉を今でも憶えています。「辞めてもらって良かった」と。(会場笑い)何しろ、根回ししなければ何もしないでボーンと案を出してですね、後は戦いだと。多分、日本で一番否決の修正の多かった議会の市長さんじゃなかったかと。逆に言えば、そういうのが個性だと。今お話になった市のあり方、裏へ手を回して調整するのはいけないということかもしれませんが、議員さんからすれば、一番戦いにくい嫌な市長さんだったのかもしれません。(会場笑い)

福嶋: ちょっとだけ、補足しますと、根回し、調整は一切しません。でも、議会の皆さんは議案を出して初めて、議案の内容を知るわけではありません。条例案づくりをするところから、あるいは予算案の編成過程も、全部市民に公開しますから、各課が予算要求するところから最初から予算編成も全部公開していますから、議員にもこれほど情報を伝えている市長はいないと思います。でも、我孫子市議会の議員の多数は、市民と同時に知ると、ちゃんと議会に知らせてないと言うんですね。議会だけに伝えると、議会を大事にしている、と言われました。そういう傾向がありました。ま、ここで愚痴言っても仕方ありませんけどね。

小林: では、菅沼さんから、記者としてご覧になってどうか、お願いします。

朝日新聞記者 菅沼栄一郎: 3つ申し上げます。今日のシンポに参加しておられる方で、議会関係者ではない、経験のないのは、多分、僕だけだと思います。外野の立場から発言します。今年の1月に、全国の地方議会の実態を調べるアンケートをしました。その結果を書いた記事を(資料として)お配りしています。「ダメ議会の3冠王」がいっぱいあるという実態をストレートに書いた記事です。今まで、新聞が地方議会をどのように扱ってきたかというと、基本的にはネグレクト(無視すること)してきた。書いたって何も変わらないから、企画を出しても通らない。それでも、4年に1度、統一地方選の前にだけ大特集をやることになっている。オリンピックのようなものです。その4年前にも、同じような地方議会のアンケートを広瀬克哉・法政大学教授と合同でやりました。その時は、議会は応援しなくちゃいけない、クサしてはいけない、実態をあからさまに批判してはいけないと。費用弁償を廃止・削減した実例や、議会基本条例を作り始めた実績など、ガンバレガンバレとばかり2、3回特集した。しかし、あまり話題になりませんでした。ただ、議会関係者の方々には、不祥事以外の報道で、新聞がこれだけ大きくきちんと扱った例は珍しい、と大変高い評価を受けました。今度は、その時以上に皆さんに(高い)評価をいただきました。先程、宇都宮市議会関係者の方から、この記事をきっかけに改革気運が出た、と。ちなみに宇都宮市議会は、ダメ議会の最右翼のような形で記事が出ています。でも、きっかけにして頂いてありがとうございました。是非、他の議会も改革を進めて頂きたいと思います。
   議会基本条例について触れます。この記事の中で、基本条例について書いてあるのは、会津若松市議会に関する部分だけです。3人のパネラーの議員さんは、議会基本条例の原論についてのお話が多かったと思いますが、少し話題を広げて、「議会基本条例その後」に触れておきたいと思います。会津若松市は被災しましたが市議選は予定通り4月に行われ、新しい議員さんになって初めての議会報告会「市民との意見交換会」が、今日(2011年11月6日)開かれています。これは3年前から数えると7回目の報告会になります。全国で最も多くやっている所ではないかと思います。あそこは政策形成サイクルと言いまして、市民から聞いたことを何百項目も書き出して、それを分類して、その中で自分たちが何を政策化できるのかということを追究しています。政策条例は今のところ1本も作ってはいないんですけれども、財政健全化条例に結びつくような報告を、関西学院大学の財政学の先生と2年間勉強を続けまして、1つのリポートを出したという執行部顔負けのことをやり遂げました。昨日たまたま、議長になられた目黒章三郎さんという方に電話で最近のことを聴きましたが、やっぱり6回やるとですね、参加する市民の顔ぶれが固定化してしまう。自治会の区長さんが常連になる。私も5回くらい見に行ったんですけども、前のほうに座る方は決まっています。1人で何回も質問したり。とは言っても、市議会議員さんからは、質問はご遠慮下さいとも言えないし。なかなか難しいようです。また、いくら意見をいっても、ひとつも実現しないじゃないかと、そういう苦情も出て来ている。なので、この7回目は、事前に地元の区長さんと話をして、その中身を踏まえて、全体会で話そうと準備したそうです。これは3年前に議会基本条例をスタートさせて、全国で最先進市だと言われている会津若松の議員さんの悩みです。基本条例その後、さて、どう発展させていくのかというテーマを、後半には、話して頂きたいなと思います。
   最後に申し上げたいのは、議会改革は少数の知恵者がいれば、全体を巻き込んで、うまくやり遂げちゃう例が少なくないということ。会津若松市議会には、議会事務局に1人、非常に優れた(改革)設計者がいました。彼に戦略を書いてもらって2〜3人の議員があちこちで動き、同僚議員を巻き込んで、議会全体の運動に広げていった、という印象です。どのシンポジウムでも言われることなんですが、こういう勉強会に熱心に出席されている議員さんはほんの一握りで、あとの9割は眠ったままだと。少数の議員さんがいくら改革を訴えても、残りの「眠れる9割」の議員さんに押し潰されて、否決される。全体を改革に巻き込む時に、長老議員をどう説得・懐柔するかもポイントになりますが、改革は追い風なので、以前よりは長老議員もわかってくれることが多いようです。主力エンジンが1人引っ張って行って、知恵袋が1人いて、あと1人、タイムリーに報道する新聞記者がいるといいかな(会場笑い)。大体この3点セット、4点セットが揃えば、これは動きます。是非、9割の眠れる議会の方々を、長老たちをぶっ飛ばして、戦略を練っていただければ、と思います。

小林: ありがとうございました。これから、御三方に、後半の部分をして頂くのですが、ただ、安藤さんが所用があるとのことで、早めにお帰りになるので、順番を変えて一番先にやっていただきます。

 ◆ 市民の声を、議会主導で政策につなげる ― 3市議会共通

多摩市 安藤: 今、菅沼さんがお話しになった通りです。改革を進める時に、アイディアを出す人と、環境を整える人、その両方が必要である。特に、アイディアを出す人はいろいろなセミナーで聞きかじったことを撒き散らす、これは反発を買うだけで実際には進まないと思います。アイディアを出す人は、そこで知ったことを、自分の議会でどうやったらいいかをしっかりコーディネイト(調整)したうえで、提案していかないと反発されるだけです。もう一つは、環境を整える人、これは場合によっては泥をかぶるくらいの覚悟がないと、実際には調整できません。私は公明党ですが、(議会には)共産党さんから自民党さんまでいます。これを最終的に全会一致に持って行くのに、どのような苦労をしたかは想像がつくと思います、変な談合をする必要はないと思います。けれども、議論はしっかりやる。数合わせは絶対にいけない。要するに、賛成を得るために、「ポストをやるから」、とか、「他の案件やってやるから」とか、これはダメで、議題そのもの、条例なら条例そのものについてしっかり議論するのは必要です。うちの議会で今進んでいることですが、2年半試行錯誤してきた意義というのがあります。この2年半のプロセスそのものが議会改革の実態だと思っています。それから温度差、立ち位置の違いというのが凄くあった。多摩市議会は都市型の議会ですから26人中22人が政党所属で、みんな看板を背負っている。イデオロギーなんて合うわけがない。多摩S19けれども、私たちが話したことは数学で言うベクトルだということです。ベクトルというのは、矢印の長さと方向が合えば、同じだということですね。立ち位置はどこでもいいんです。共産党さんと自民党さんの立ち位置は全然違います。しかし、この議案についてのベクトル、矢印の長さと方向を一致させていくことは可能だよとして議論していきました。【スライド19】その結果大きく変わったことは、職員が議会のほうを向いて仕事をするようになった。つまり、重要な事項について、2議会、3議会くらい前から、議会に対して相談をするようになってきました。そして沢山の勉強会をやります。根回しなんかにエネルギーを注ぐ必要はないけれども、議論をするためにはしっかり勉強するということがなければ、ダメに決まっているじゃない。我々、法律もよく知らない、制度もよく知らない、その問題の根本課題もよく分からないまま議論して、最後は喧嘩腰というのでは市民の利益になりませんから、職員のほうが、2議会、3議会くらい前から丁寧に話を持って来るようになりました。そして、議長、副議長で常にチェックします。「次の議会にこういった議案を出すんですね」、「こういった条例出すんですね」、「常任委員会でどこまで議論してきたの?」と、チェックします。それが不十分なまま議決せよと言ったら、ふざけるなって言います。うちの議会はしっかり議論したうえで結論を出すんだから、最後は多数決だけれど、それが十分できないままやるんだったら否決するぞと言います。実際にはしませんけども。
  先程、市民政策提案の実現についてお話ししましたけども、市民政策提案が通った事例がいくつもあります。例えば、団地の中に幼稚園があったんですが、そこが売られてマンションになりそうだ、勿論、私有財産なんだけども、これを何とか防げないか、条例できませんか?と出てきました。(でも、)遡及適用ってできませんから、政策提案した市民の方からの、そこの幼稚園に対してはどんな条例を作ってもダメなんですね。ダメなんだけども、将来の多摩市のまちづくりのために、「私たち出します」って、市民の方が出して来られました。私涙出そうになりました。凄い人たちだなって。それで議会で採択をし、条例を作ろうって話になりました。そこに悪魔の囁きが来たんですよ。わかります?行政側から、「こちらで条例つくりましょうか」って。悪魔の囁きですよ。だって市民がね、議会に条例作ってくださいって来て、条例制定権、議会が持っているじゃないですか、それに乗ったら終わりでしたね。きっぱり断りました。それから市政報告会、一回やったんですが、議会報告会って、公平・公正ってことをあまり意識して委員長が報告しても、面白くもなんともない。つまらないですよ、議会報告読んでいるような市政報告会だったら、市民もう嫌だって、2度と来ないって言われたんですね。そういうことがあって、今度は頑張ろうって、パワーポイントも使ってしっかりやろうってことで頑張っています。それと、議会への市民参加ということですが、仰る通りで、放っておくと、名前も顔も分る方ばっかりになってしまう。だけど、うちの議会も市長もそうなんですが、公募から無作為抽出へという流れを起こそうと思っています。多摩市の特徴として、男性の大卒率日本一なんです。部長さんクラスそれから学者、学校の先生、山ほどニュータウンにいます。そういった方々、ちょっと肩を押してさしあげると、実に良い意見を出してくれるんです。ですから無作為抽出でハガキを出して、出てもいいよって方が100名くらい来たら、その中から、年齢・性別とかね、バランスを取って審議会を作ろうと、今やっています。無作為抽出の市民って、大した意見言わないんじゃないかと思っていたら、実はすごく良い意見を出してくれるのです。議会のモニター多摩S20制度もそういう方向に持って行こうかと。そういった改革をしないがぎり、一定の方たちだけになってしまう【スライド20】私ちょっと過激なことを言って帰ろうと思います。議会本来の権能に目覚めようじゃないかと。法律的にはいろいろあります。裁判まで行けば、どうなるかって話あるんだけど、実質的、予算審議権が議会にはありまして、うちの市ですと、人件費と扶助費ですね、それ以外は流用を認めません。1円たりとも、補正予算を組まないと許さない。市長というのは議会が決めた範囲内で執行する。橋下大阪府知事(当時)は怒ってました。でも、議会は本来予算をきっちり決めますから、市長はそれを越えて執行なんかできるわけがないんですね。で、条例制定権ですね。これも裁判になったらどうなるかってことがあるのですが、議会で条例を定めて、これが法律に違反していない、公序良俗にも反しない、それから予算等、財源等実現可能であるなら、裁判になっても、市長は反抗できないでしょ。市長は議会が定めた条例の範囲内で執行するということだと思います。議会がしっかり議会全体として一つのメッセージを出して行けるのならば、私は議会主導多摩S21型の市政運営ができると思います。これは、私と数人が心の中で思っていることなんですけどね。ただこれは、議員の力量がしっかり伴なって来なければ、キチガイに刃物になります。ただ、議会は本来こういう権能を持っているはずだと思います。裁判まで行くんならともかく、繰り返します、裁判まで行くんならともかく、事実上議会が全会一致で、こうしろって条例定めたり予算定めたりしたら、市長は事実上、それに逆らえないですよ。とするならば、私たちもの凄い責任ありますけども、議員がしっかり力量を高めて、市民との共感のチャンネル、共感のチャンネルがなくなると我孫子市とか名古屋市みたいにやられちゃう。(我孫子市じゃなくて)阿久根市だっけ、あんなふうにやられちゃう。(会場笑い)市民との共感のチャンネルを持っていれば、これはできる。という大それたことを考えています。【スライド21】要は、議員の力量次第だと、私は思っています。くだらない議員が多いと嘆く市民がいますが、任命責任は誰なんですか?と。議員には2つの側面があります。一つは「当選力」、もう一つは「議会での活動力」。本来の力。行政マンに負けない調査能力・専門性、議会での発言・調整力、がなければ議会改革できません。但し、これは票になりにくい、現状では。当選力と議会での活動力にギャップがあることが問題だと思っています。将来このギャップが無くなるような絵が描けたら、議会改革はもっともっと進むんじゃないかなと思います。ということで、よく見える化、多摩市で頑張ってまいります。最終的には“市民の投票行動の変化”ということがあって、議会改革は大きく進むのではないでしょうか。以上です。ありがとうございました。(拍手)

福嶋: 質問したいんですが。勉強会というのは、根回しじゃないから大いにやった方が良いし、私もやっていましたし、大事だと思います。この勉強会こそ、もっと市民が自由に参加して、議員と市民が議論する一番いい機会になると思います。公式の場だとそれなりの手続きが必要だけど、そういうことをやられていたのか?ということ。それから、勉強会でもできるんですが、当然、条例案を作るところから、予算案を作るところから、事前に公開していれば、実際に議案出すまでに、議会の正式な定例会が何回かあるわけですね。当然そういう公式の場でも議論されているんですよね?ってこと。あと、無作為抽出の(市民)参加も議論したいんですが、お時間ないでしょうから。

多摩市 安藤: すいません。半分逃げを打ちながらで、申し訳ないですけども、一つはですね、行政が議会に対して勉強会してくれと言ってきます。そして、我々の方からも申し入れ、議論をします。市民の傍聴ももちろん可能です。というのは議会基本条例に会議は原則公開すると書いてます。

福嶋行政から話を聴くのではなくて、同じテーマで市民から聴くということで

多摩市 安藤: そうです。それは、ちょっとこの先の話なんです。それはそれとしてやっておいて、それから今、うちの議会改革は委員会中心でやっています。委員会が意見交換会という独自のテーマを掲げて、意見交換するのをどんどんやって行きます。それが仰るようなケースになると思います。委員会として市民に意見を求めて行くということ。行政から説明を受けて勉強し、そして本当に課題のある地域に行ったり、課題のある施設に行ったりして意見交換をしてくるというのを平日にやっています。そういう事実を積み上げて、議会基本条例をさらに進化させていく、という方向にあります。

福嶋: 行政だけから聴いてても、分らない・・・(マイクを通してないので不明瞭)

多摩市 安藤: もちろん、我々議員というのは議会の中にいて、行政の情報だけで判断しようとします。でも、うちの議会は委員会レベルでしょっちゅう市民のところに出かけて行きます。だから、会期中の委員会の開催がすごく多いです。3回、4回は当り前です。うちの議会は日本一働く議会にしようというのが、ひとつのテーマです。
(安藤氏、所用のため退場)

所沢市 桑畠: よく言われるのは、議会基本条例を作っても意味がないって言われる。そんなの要らないと。会議規則と委員会条例で所沢s22所沢s21対応できるという話も時々あります。さはさりながら、所沢市議会では議会基本条例制定で随分変わってきました。【スライド21】条例制定で何が変わったのかというと、先程も、説明しましたが、一問一答制の導入。【スライド22】これは、法政大学の廣瀬先生からもお褒めを頂いたんですが、11条の、議案についての説明というのを具現化する。条文はあるけど、ここまでやっている所はないということです。これは事業概要調書というのを、毎回議案が出るたびに作ってもらっています。これ、2晩担当者徹夜になってしまって大変なんですが、毎議会ごとの事業の概要調書ということで、事業の内容や、他自治体の政策や、市民参加の有無、そして事業費、この4つの項目を載せたものを作っていただく。予算の時はこれくらい(かなり)の厚さになります。これが便利なんですね。先程もお話(伊賀の安本議長の話)がありましたけど、細かい数字を聴いてもしょうがないわけで。他市事例とか数字とか、そもそもそんな用意してる所沢s23ことを全部書いてくれよと。でもまだ、執行部のほうは抵抗があってですね、温度差が凄く部によってありますが、これは大変良いツールです。【スライド23】個別議員の賛否の公開、これは基本条例にはなかったですが、やはりこれをしていかなければいけないだろうと。実は、住民の方から請願が出ましてやることになりました。誰が賛成したのか反対したのかを公開、これは会議規則を変更したのかな、でやっています。委員会発の提言というのは、今、比較的活発に行なわれていまして、どういうことかと言うと、委員会の閉会中に例えば、所沢は狭山茶でお茶所なんですが、お茶の関係者の方をお呼びして、参考人でお呼びします。日当2200円お支払いして。いろいろ聴いた話をもとに、委員会で、こういうことをやったほうが良いんじゃないか。これは非常に有効な方法でして、もう5回くらいやっています。例えば、お茶の場合であれば、学校給食でお茶が出ないということがあったり、市の主催する会議でペットボトルのお茶とかは出るわけですよ。こういうのは止めろとか、素朴なんだけれど結構大事な提言というのを委員会でやっています。これも制度としては何の保証もないんですが、先程も言ったように、ダメだと書いてないことはやろうということです。そして、議会報告会、粛々とやってます。段々私たちもノウハウを蓄積して来てまして、先程の常連さんが多いというのはあったんですが、議会で議案に反対をしている市民の人たちに声を掛けると、議会報告会によく来てくれる。「せっかく反対したんだから是非見に来てくださいよ」、と盛り上げるって仕組みが段々所沢s25所沢s24分って来て、脱常連化をめざしている。例えば、集団資源回収の報奨金をキロ当たり6円を5円に下げるということをやって、その後それが、不満だという方が請願を出された。結局その請願は、趣旨採択で、事実上否決したんですが、その請願を中心となってやった方が大勢来て頂いて大盛り上がりました。段々分ってきましたね。これはやったほうが良いです。もちろん報告だけでなく意見交換が中心になるわけです。【スラ所沢s26イド24】先程から言ってますように、書いてないことはできるんだと、どんどんどんどん新しいことをやって行こうと、このマインドが議員の、すべてとは言いませんが、議員の中に根付いているのかなと。条例制定をきっかけに。条文の個々のことではなくて、文化が変わらなければいけないんですね。ですからなんでも今は、工程表と部会方式というのはすぐやる。書いてある事じゃなくて、まさに、この議会基本条例もそうなんですよ。議会基本条例に書いてあることをやるのは当り前なんだけれども、それを通じて議会の文化が変わって行かなければいけないということがあると思います。【スライド25】条例制定後は、議会改革評価報告書というのを毎年作ってますし、4年に1回はもっと本格的なものをやっていて、これは資料に付けました。100条2調査というのを、私ども、全国でトップクラスにでやっていて、もう6例くらいあるんです。これは行政学の先生とかが一番怒っている所のようなのですが、100条2という素晴らしい制度を作ってあげたのに、使わない地方議会って何?って。我々もいろんな形で100条2を利用して調査しています。今は、制定後の市所沢s27議会の評価を依頼して報告頂いています。【スライド26】自由討議ですね、これは面白いんです。うちは委員会で委員の発議で実施する。これは全部議事録に記録も残るし、執行部も残ってますし、傍聴の方も排除しないまま自由討議をする。これも、盛り上がる場合と、全く委員長の力量で大混乱を来して何だって、例があるんですが、まあ回数を重ねて行くことですね。それから閉会中の質問、これは実はあまり有効活用されていません。【スライド27】正副委員長連絡協議会、これなんで作ったのか、作ったほうも良く分からなかったんですが、所管の常任委員会見直しの議論のために実施しました。それから、会津若松さんのマネなんですが広聴広報委員会、広聴機能充実のために議会報図書室委員会が発展的に委員会へ。特徴としては、広聴広報委員会は議運と同格なんですね。議長、副議長参加するんです。そうしないと、一時期、綱引きで凄く疲れちゃって、「これは議運だ」、「広聴広報だ」ってなったんで、議長、副議長も参加することになりました。内部のことは議運、対外、市民参画とか議会報告会は広聴広報委員会という切り分けでやっていますが、なかなかうまくい所沢s28かない。議会日程の追加についてですが、先程、多摩市議会さんも言ってましたが、うちもこれは画期的かなと、他にあまり事例がないと思うんですが、定例会時の常任委員会に予備日設定をしてですね、参考人招致をします。例えば、請願が出た時に、今までは休憩を取って、その場でお聴きしていたんですが、議事録にも残りませんし、そういう意味で言えば、不透明ですし、福嶋さんがやってらっしゃった東京財団の中でも、参考人の議事録をちゃんと取るっていうのが確か評価項目にあったので、これを二重丸にしたいなというのもありました。ですから、一般質問が終わった後に、もう一回委員会をやって、そこで請願の人とか議案に関係する人を参考人としてお呼びするんです。そこで正式に質問して答えて、議事録にも載ります。これは大きいですね。最初は予備日ということで、そんなに使わないかなと思ったんですが、日程を設定すれば、やるほうが当り前になってしまって、やらないほうが珍しくなる。これも議会基本条例の中にあったということです。参考人制度を積極的に活用するって条文を具現化するということで追加をしたということです。【スライド28】所沢29れから自治基本条例の議会修正、総合計画、基本計画の議決することで、特にこれは条例制定に関わった市民の方からも顰蹙を買ったんですけども、市民参加の執行部原案を大幅修正して、修正案に対して、もう一度我々でパブリックコメントと参考人招致とシンポジウム等をやって修正をしました。これは私が委員長をやらしてもらったんですが、大変お叱りを頂きましたけれども、議論としては非常に活発にやりました。基本計画は、執行部原案を修正できたんですが、残念ながら、そこの修正については市民参加ができなかった。それから議会事業評価というのをやってまして、議会事業について議会運営委員会で全部評価、今は15項目くらい評価しています。【スライド29】今後の課題ですが、新人議員との意識差、議会報告会の充実、定数・報酬の検討、市議会の低投票率、さらに下がっています、広報の充実、こんなところです。


伊賀市 安本
【スライド11】議会基本条例を施行後、その成果というどうなったのか?そもそも議会や行政は誰のためにあるのか、市伊賀S11民のため、納税者であり、主人公の市民である、その人たちにどうすることがいいのか、というのが原点です。市民にはいろんな思いがあります。市民は自分勝手な所もあります。総合計画や財政事情なんてどうってことないよ、と言う時もあります。ですが、そういうものをすべて報告会で伺った時に席上回答でお返しする場合、市民の皆さんがお解りにならない部分を説明する場合、あるいは、これを持って帰って宿題として頑張らせてください、これはおかしいから当局と議論をして、しっかりとお答をしますよと、言ったのが、これでございます。報告会の課題を収集し、議長は6名おります班長を寄せてこういうふうなことをやります。このテーマは自由討議の中で議論をし、条例を作って行こう、既存の条例であるならば改正して行こうということになります。当議会の自由討議は、議事録なし、当局なしのフリートークです。また報告会で出た課題については、当局の課長に集まったもらい、テーマ別に、福祉、まちづくり、教育、医療等々議論をします。それを班長がまとめて、再度住民自治協議会へ持って行って、説明するというサイクルです。自由討議で議論されるのは概ね、条例を作って行きたい、または条例をもっと厳しくしよう、という時に自由討議をします。合意を得た場合、議員提案を行います。今は、食の安心安全の条例を作ろうと議論しているんですが、予伊賀S13算のことを考えないで作成したので、1回目は失敗しました。2回目の自由討議で、この条例を作るための議論をするような形に持って行っております。【スライド13】条例制定で何が変わったか、市民から見た時に、議員の顔が良く見えるようになりました。自分の地域の議員しか知らなかったけれども、ジャンル別に、この人は教育に強い、この人は福祉に強いと、そういう専門的なものを持っている議員がつぶさに分るようになった。4年経過をしていますと、議会という所はどういう所か、行政と議会の違いが良く分かりましたと言います。最初は、要求型とクレーム型の報告会でしたが、今は市民の皆さんも自分の発言に責任を持って頂けるようになりました。そこで市民の皆様のアンケートで今までと違って、「有権者の議員を選ぶ選択基準も変わる必要があると思いますか?」というアンケートに、「ある」と答えた人は75%、「ない」と答えた人は8%「わからない」が17%。今まで、自分の地域の人に(票を)入れていれば良いんだよという住民の皆さんの考えが、顔が見えることによって、中身もだんだん分るようになってきた。このことが恐らく、議員の議会のレベルアップに繋がるのではなかろうか、私がいつも申し上げております「市民を越えた議会は生まれない、議員は生まれない」ということです。一方、議員はその地域の問題・課題が把握できるようになりました。Aという地域にAという議員がいるならば、個人の活動はなかなか行きづらい。でも、議会対市民ですから、どこに行っても遠慮伊賀S14がない。そして政策提言の手掛りになる。そのことが行政との緊張感になります。一般質問等々で、市長の答弁に対し、「市長はそう仰るけれど、住民の意見は違いますよ」と。住民に最も近い議会という形が、緊張感の醸成に繋がってきたということです。【スライド14】今後の課題はどうなのか?私たちは、まだまだ議員間の議論というのが少ないです。でも、仮に3分の2が聴き役だったにしても、このテーマには、反対の意見がどんな意見であったのか、ということを、議員が市民に報告する時に、皆が同じ報告ができるということ、それがメリットでもありますから、3分の2が聴き役でもいい。けれでも、やっぱり議会という所は議論をし、市民の見える所で物事を決めて行くという組織ですから、もっともっと議論に参加できるレベルアップが必要ではないかな、とも思っています。次は、何に挑戦をしていきたいのかということでは、会派重視の議会運営をしていますと、議長は楽です。それをうまく使えばいいんですが、ともすれば、先程もご批判出ていました議長選挙、年に一度の役選がありますので、役選のたびに会派が離合集散を繰り返して、つまり条例には政策集団と謳っているんだけれども、おおよそ政策集団にはなっていないよね、ということで会派のレベルアップを望むために、先程、多摩市さんで言っておられた、会派による事業仕分けをしたいと思っているんですが、参加会派が2〜3しかおりませんので、できるところから、しようかなと思っている所です。もう一つは、常任委員会に、審議される請願については、請願者が議論に参加しますが、それ以外でも住民が、議会の中で議論に参加できる仕組みというのはまだまだありません。傍聴に来て、いくらでも発言ができるようになっているんですが、なかなか住民の皆さんに来て頂けない。会議はホームページに載っているんですが、どういう方法で来て頂いて市民の皆さんに会議で発言して頂けるかと、その辺が次なる挑戦の1つでもございます。もう一つは、議会報告会では決まったことを報告していますが、事前に議会に提案の議案の中で、重要な部分を市民の皆さん(37の住民自治協議会)と議論をし、市民の意見を収集できる、このシステムをうまく取れないかなと思っております。なかなか難しく行政との調整や日程的なものもあるんですが、これをやって行きたいと思っております。当議会では、平成23年度の予算の一部分の凍結、あるいは総合計画の修正をやっていますが、今一つ、常任委員会の活性化、例えば、常任委員会で継続審議と出た場合、いろいろな情報収集で、参考人招致を活用し熟議を重ねる常任委員会の機能の強化ですね。委員会でしっかりと議論をされていないと、本会議で委員長報告と違う結論になったり、というようなことがあります。それは状況が変わった場合はいいんですが、しっかりと委員長報告を尊重するという歴史の中ではね、もう少し常任委員会がしっかりと議論のできる形にしたいと、まだまだ沢山あるんですけど、主な課題と挑戦はこのようなものになります。

小林: ありがとうございました。本来であれば、パネリストとコメンテーターがやり合っていただくのがいいんですが、時間がないので、会場の方たちからのご質問などを受けることにします。多くの方にして頂きたいので、質問はなるべく短めにお願いします。

参加議員D: 茨城県の取手市から来ましたNと申します。菅沼記者にお願いします。取手は一昨年、全国1800有余の自治体の中で第22位と、北川正恭先生研究会で。条例はなかったんですが、改革先行してやってきました。今日、「ひびき」(議会だより)と新聞報道をかついで持って来たんでお土産に。そういう中で、仏作って魂入れずでは、画竜点睛を欠くってことで、3・11の3日後に委員会をつくりました。ということで今、第11条で、討論を一議題で3回できるというのは全国初です。そういった中で、さっき菅沼記者がメディアの応援が必要だと。でも、4年に1回の記事じゃなくて、取手ではS記者が書いてくれましたが、まだ(議会基本条例が)1800の自治体のうち1600ができていないんで、もっとどんどんメディアに応援願いたいと、4年に1回の記事じゃなくて、それを希望します。

朝日新聞 菅沼: 「4年に1度」とは、連載など大きな企画のことを申し上げましたわけで、取手のS記者のような記事はいくらでも書きます。これを機会に皆さんにお願いしたいのは、「面白い議会」にしてほしいということ。「面白い」というとちょっと誤解されかねないのですが。皆さんは休日議会や夜間議会など、市民に傍聴していただきやすいように、いろんなことを試しているのですがあまり来てくれない。託児所まで用意したのに、何で来てくれないのか、とクビをひねる議員さんが少なくない。答えは簡単で、面白くないから行かない。ダイナミックな議論が行なわれたり、増税、減税がその場で決まるような委員会だったら、みんな押しかけてヤジを飛ばすんでしょうが。被災地の復興に関する集中討議委員会をやるとか、あるいはセシウム観測会を議会主催で開きますよ、とかガレキを東京湾だけじゃなくてオレの所にも持って来い、とか。「多摩にガレキ誘致するぞ」とか言ったら、皆びっくりしてワァーっと、市民が集まって来て、大反対になるんでしょうか。じゃあ多摩市民は被災地のガレキ処理に知らん顔していいんですか、という反対意見が出るかも知れない。議会のほうから火をつけて議論を巻き起こすというようなことになると、新聞は頼まれなくても飛んで行きます

参加議員E: パネラーの議員さんにお伺いしたいのですが、今までの話題に出なかった通年議会をどのように考えていらっしゃるのか?この間、四日市に行きましたら、四日市では3月議会で議決をして、4月から始まった。三重県議会は、通年ではなく通期、4年ずっと議会を開きっぱなしにしましょう。そういう論議が始まったということなんですが、お二方(1人帰ったので)の議会はどうなんでしょう?

伊賀市 安本: 確かに通年議会はメリットがあるのですが、私たちが考えている通年議会は2つあると思います。それは議長が開催をするという権限、もう一つは市長の専決処分をなくするということです。当議会は専決処分については、市長が重要なものは報告がありますので、議会に諮るまでもなく、市民のコンセンサスがなければ戻してますので、今のところ、議会としては通年議会というのは、議論は一切やっておりません。

所沢市 桑畠: うちの議会では、常に改革工程表というのを作って、こういうものをやりますよと、あるんですが、その中で通年議会は入っていません。通年議会というのは、メリットデメリットがあるんですが、やる意味があるのは、議員報酬の問題です。つまり、我々が日当制と言われた時に、「通年なんですー」と訴えたいというのと、今言われたような専決処分、これは廃止キャンペーンを議会で張ってますんで、それは意味がないのかと。それから閉会中の審査は、弾力性を持たせて、何でもできるようにしています。そういう意味で言えば、私個人としては通年議会のほうが良いと思いますが、今のところは、閉会中もいろんなことをやろうということで、うちの議会は進んでいるので、まだ(通年議会は)ロードマップに入ってないのが現状です。

参加市民F: 私は多摩市議会ウォッチングの会のKと申します。先程、多摩市議会の副議長の安藤氏が素晴らしいプレゼンテーションをされ、お聴きになった方は多摩市議会は「すごいなあ」と思われたと思いますが。実際、ウォッチングしている私どもとしては、まー、とにかく本当かー、と(会場笑い)。それはさておきましてね、福嶋先生に2つ質問があります。1つはどこかの市のシンポジウムで(私が福嶋さんに)「多摩市議会基本条例、こういうことを制定しました」と言ったらば、福嶋さんが一言即下に「ああ、これはアクセサリー条例だね」と言われまして、私もそうだと思ってましたので、心の中ではちょっと抵抗感もあったのですが、今日改めて、昨年議会基本条例を制定して、安藤副議長からあのようなプレゼンがありましたが、あれを聴いて、福嶋さんはどのようにお感じになったでしょうか?もう一つは、わたしは、まちを良くするために本当に、無報酬で、手弁当で汗かいています。私は多分、今の日本の国の形がやっぱり地方が強くなければいけない、地方が強くなるということは住民自体が本当に何かに目覚めるということですね。そのためには、思い切って国の予算を地方に任せてもらいたい、で、だらしない首長がいて、だらしない議会があれば、その自治体は潰れる、こういうふうなことにしないと、多分、市民は目覚めない。と思ってます。この2点を、福嶋先生の御見解を伺います。

福嶋: あの、多摩市の条例をアクセサリーだと言ったのが、どの部分について言ったのか、ちょっと記憶していません。どの点について私に説明をされたのか記憶していませんので、多摩市がそうだということではありませんが、例えば、私がよく指摘しているのは、市民を参考人として呼ぶのは、議会が必要性を認めた時に呼んで積極的に活用していくという条文。それは別に条例がなくたって自治法でできるでしょうと。議会基本条例を作るならば、市民の権利として、市民が求めたら参考人として意見が言えるということを権利として書かなければ意味がない、アクセサリーですよ、と言っています。多摩市のどの部分について言ったのか、申し訳ありません、記憶にないので、それかどうか今はお答えできません。今日のお話を聴いて、アクセサリーだと思った部分はありません。それから2点目ですけど、私がとても気になるのは、先程言ったように、議会基本条例を作らせるのも国が強制したらいいじゃないか、それから私、住民投票条例の制定の運動をしてきましたが、国が義務付けてほしい、という意見があるんですね。それから今、消費者庁の仕事をしていますが、地方消費者行政を充実させるには、国が指示をしてほしい、国がひも付きの補助金を出してほしいと言われるんですよ。みんな国頼みなんで、それは違うのではないか、国の基準ではなく、住民の意思で自治体をちゃんと強化をしていく、地域を豊かにしていくってことが必要だろうと。個々にはいろんな場面はありますよ。だけど、基本はそこだと思うんで、どうもそこがちゃんとした流れになっていないなあという思いがあります。だから私も、税源移譲して、自治体が自分の責任で自分で決めて、ダメな所はダメになる、でいいと思う。今までね、ダメな所、とんでもない市長やとんでもない議会を住民が選んでしまっても、国がいろいろお節介焼いて何とかなるようにしてたんですね。そうすると住民は真剣にならずに、とりあえず直接私の利益になる人、私の地域の得になる人、私の業界のプラスになる人、という基準で選んでしまいがちです。本当に変な市長、変な議会を選んでしまったら、地域自体がダメになるとすれば、もっと真剣に住民の人たちは選びますよね。もちろん、どんなに頑張っても税源の偏在はあります。そういうものはキチッと国が制度を作って、税源の偏在をなくす、財源を保証する。そういう前提があれば、本当にダメな市長や議会を選んだところはダメになるという仕組みでいい。そうでないと変わらない。原則はそうだと思います。ただ、その原則だけで全部やれるかというと、現実にはいろいろなことも考えないといけないと思いますが。

小林: 時間に限りがありますので、後お二人に限らせていただきます。初めての方を優先します。

参加議員G: 埼玉県の入間市から来ましたGと申します。桑畠さんとこのお隣ですが、桑畠さんとこは何処に出しても恥ずかしくない議会ですが、うちの議会は何処に出しても恥ずかしい議会で申し訳ないです。冗談はさておきまして、今日来ておられる議員さんたちに共通の気持ちだと思いますが、こういう良い条例、良い改革をやりたいと思っているのは、(議会の中で)少数だと思うんですね。(改革の)輪が広がらない。もう特に、一番大きい会派をどうやって口説き落として制定の方向へ引っ張っていけるか、メソッドを伺いたいなあという所なんです。少数の議員がどうやって合意形成をして行かれたのでしょうか?うちも、(議会基本条例制定)特別委員会というのを作っているんですが、一番大きい会派は基本条例をほしいんだそうですが、一番大きい会派が「作れ」って言ったんですよ、この委員会ね。ただ市民の声を聴きたくない、アンケートをやりたくない、市民の声を聴いて条例を作るなんてそんなオカシナ話はないと、我々だけで作るんだと、アクセサリー型の条例がほしいという人とか、理事者を叩きのめすための道具としてほしいという会派もある。市民の声を聴かないといけない、というのはごく限られた人たちです。ということで、議論が立ち往生している状態です。是非、先進のトップランナーからお話をお聞かせください。

伊賀市 安本: 議会の改革は議員だけではなかなかできません。それは何故かというと、市民が要求してても、結果として二元代表制を勉強しなければいけないということで、当議会も反対がありました。当時34人の議員で17人がボイコットしました。ボイコットされた会議で私の不信任が出るようなこともありました。だからこそ、市民の皆さん、メディアの方々にお手伝いを戴きながらゼロからつくりました。議員は議会の中ではナンダカンダ言って反対していますけど、市民の前に行きますと反対はできません。何故なら、市民が求めているからです。そういう手法も一つかなと思います。

所沢市 桑畠: 議員の中で、こういうのは良いからやりましょうと言って、賛成する人は少数派であって、だから、「ま、いいから、お願い」と懇願と、但し、そこから先は“わらしべ長者”と一緒なんですよ。まず藁取って、アブをつけ、それを蜜柑にして、ちょっとの隙に、こっちは最終の絵を描いておく。工程表を作りましたが、全部見せるとあれなんで、ちょっとずつ小出しに小出しにして、最後は議会基本条例が手に入る、というこういう方法なんです。分りますかね?だから、あんまりこう「これ良いもんなんですから」と言うと嫌われますから。「こんなこと、僕も良いことだとは思わないんだけれど、流行ってますからね、これ」と。私はそれでいいと思うんですよ。「そうですよ、やっといたほうがいいですよ。うるさい人が来るでしょ、こういう人のためにもなるんです」と。「そうかなー」みたいなね。そういうことを積み重ねているんですよ、現実には。それを否定して、いくら正論で、安全な位置に立って(たら負ける)、我々政治をやる人たちは、やっぱり勝ってなんぼですから。選挙だけ考えれば、僕はこんないいこと言ってんのにね、分ってくれなくて(と言っても)票は伸びるんですよ。でも、変えないと意味がないじゃないですか。議員である以上一歩でも二歩でも変えていくものだと、私は思ってますから、私はそういうやり方で来たんですね。それは本音の所です。

参加議員H: 福嶋さんにお伺いします。(私は)34歳から2期8年間議員をやりまして、あまりにもくだらなさに辞めて、司法書士として多重債務(整理の仕事?)に8年間取り組んできました。そういう中で、名古屋、河村市長等の意見に大変共感をして、尚かつ、福嶋さんの直接民主制をベースにした間接民主制という考え方に非常に共感をして、また立候補して当選したんですけれども、こういった現状の中で、アクセサリー条例ではない、福嶋さんの言われる真の(議会)基本条例のポイントをいくつでもいいですからお話しして頂きたいと思います。

福嶋: 端的に、根源的なとこだけを言えば、きちっと市民が議会に参加することを権利として保証している、そういう所だと私は思います。念のために言っておきますが、条例は素晴らしい条例を作った、一方では、アクセサリー条例にとどまった。でも、アクセサリー条例を使って、ちゃんと市民参加をやっている。反対に、条例だけは権利を保証したけれど、実際には何にもやっていない。どちらが良いかって言えば、やっているほうが良いですからね。条例さえ作ればいいって話じゃないということも併せて皆で共通認識にしてほしい。もちろんアクセサリー条例じゃないほうがいいし、アクセサリー条例はやめなきゃいけないのは当然ですけど。

小林: 最初のコメントで福嶋さんが、市のほうも情報をちゃんと公開していて、議員さんはそれをちゃんと見ていれば、事前に情報を把握できるということでしたが、それは非常に重要です。この開かれた議会をめざす会が、なぜ議会の問題をやるかと言うと、非常に簡単でして、一番ダメで市民の不信の原因になっている所が議会だろうということがあるからです。まだ行政のほうが少しはまともかも知れない、ま、そうも思えない部分もあるんですけども、ともかく議会を改革しようといろいろな努力をして来たと。今回、議会基本条例をテーマにあげようということだったんですね。そうすると、どう議会を良くしていくか、市民との関係を問題として挙げていくか、ということになるわけですが、さらには、実は、議会といくら仲良くなっても、行政と議会と市民がいるわけですから、この3者の問題になってくるわけですね。そうすると、行政自体がいかに市民に情報を提供していくか公開をするか、そういうところが非常に重要であります。いくら議会と仲良くなっても、行政側が殆ど情報を出しませんよとか、議員さんにだけ出しますよというのではだめです。議員さんて特別待遇が大好きですから、あんたにだけよ、と言われると、すごく喜んじゃってね。情報を市民と同時に出すと、この野郎首絞めるぞ、ということを言うわけですよね。そういう社会がないということが実は前提であって、市民に、行政と議会両方とも開かれていないといけないと思うんですね。そういう点では、運用の問題、今、福嶋さんが仰ったですけども、やはり議会基本条例も、僕は、議会だけで留まるのではなくて、実は執行部、行政側がどういうスタンスを持っているかによって、大きく変化をして行くと思うんですね。
  たまたま、ある自治体でこういう事例がありました。つい最近ですけども、自治体の自治基本条例の審議会の会長をやりました。その自治体は合併をしたんです。合併協議の中で、自治基本条例を作りますよ、と決めてあるんです。何故かというと、中心になった一番大きな市が自治基本条例をすでに持っていたのです。だから、合併した後、それをそのまま使うのではなくて、もう一度作り直そう、皆でゼロから作ろう、とやったのです。他の持っていないところが3つも入ったことで、審議会の議論の過程で中身が落ちて来たんです。無い所からすると、こんなの止めてくれよということで、自治基本条例(のレベル)を下げて、初めの案のほうが良かったんじゃないか、これでは中心の市民にとっては合併しないほうが良いと、条例一つ考えてもね。そういう不満があるけれど、全体からすれば、努力して皆で作っていくんだから、後で改正できるから、まずスタートしようよと言うことで案を作った。ところが、議会からすれば、この条例はおかしい、通したくないという意見が出ると思います。たとえ最大会派にしても、殆ど同じ状況になると思います。さらに(おかしなことに)中心市の議員さんでも、その人たちはそれまでに自治基本条例を可決して通していたにもかかわらず、期待していたよりもレベルが下がったら、反対だと言う人もいれば、逆に、「これは進み過ぎている」と言う人もいると思います。こういう実態なんです。なぜか、簡単なんです。次に議会基本条例を必ず迫られるから嫌なの、つまり通したくない、という人もいるだろうと思います。
  大切なのは、まず、一人が変われば、やがては全体が変わって行くんだというふうな意識で、皆さんの活動をされることが大切だと思うんですね。私なんかも議員さん見てて、菅沼さん仰ったように、本当に私もそう思うんですね、2人か3人が始めれば、だんだん議会全体が変わってくると思いますよ。ただ、それでも無理という所もありますけど、かなりの部分は変わる。それとマスコミですよね。そういう点で皆さんがいかに味方につけていくかが大切ですね。是非、頑張って、ご活躍頂ければ。今日は本当に、パネリスト、コメンテーターの皆様方、ありがとうございました。(拍手)

−完−

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