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特 集 |
| 2011年11月6日 新宿区戸塚地域センター |
開かれた会をめざす会 2011年 秋 シンポジウム |
誰のため? 本当に必要? できたらどうなる パネラー: コメンテーター: 第1部 司会: 川名ゆうじ武蔵野市議(開かれた議会をめざす会事務局長) 第2部 コーディネーター: 小林弘和専修大学法学部教授(開かれた議会をめざす会顧問) |
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(発言者の敬称略) 第1部 先進的な3市から議会基本条例の報告 ◆ 議会基本条例があるのは全体の1割、実情は・・・ 本会注: 伊賀市、多摩市、所沢市より、それぞれの議会基本条例について、あらかじめ以下の@〜Dの5点について話して頂くよう要請しました。第1部においては、そのうち@〜Bまでを20分以内で説明し、後半の第2部で、CDについて話して頂きました。それぞれの説明用のスライドのナンバーを【 】で示しました。スライドは枚数が多かったため、適宜減らしたので順番通りではありません。 ◆ 伊賀市議会−合併と市民の怒りが推進 ◆ 多摩市議会−議会が市民に基盤を置ける仕組み作りをスタート ◆ 所沢市議会−「書いてないことはできる」を“文化”に 司会: これから、基本的な質問、例えば、こういうところが良く分からなかったなどの質問を受けます。 参加議員A: 群馬県桐生市から来ましたIと申します。うちも一問一答やっているんですが、一つの質問に3回までの一問一答、一般質問で9つの項目があれば、3掛ける9となるし、時間制限もあります。お聞きしたいのは、一問一答やるなかで、回数制限や時間制限はあるのか、全くないのか、また、どのように決めて行ったのかでしょうか? 伊賀市 安本: なぜ、一問一答をするかという原点ですね。市民の皆さんは議会議員が当局に質問しているのは分かりづらいというお声を頂戴したので、一問一答で分り易くするというのが、原点です。一般質問60分、答弁も含めて、と設定しており、回数に制限はございません。 多摩市 安藤: 多摩市議会では、私が議員になった14年前から、一問一答制が当たり前になっていました。片道で一般質問35分です。ただ、今これの良い面、悪い面、議論されています。一問一答でやりますと、口喧嘩みたいに、5秒立って座るとか、そんなものまで入って来て、本当に質の確保ができるんだろうか、逆に、きっちり回数が制限され、時間が制限されているほうが質の高い議論ができるのではないだろうかという議論が始まっています。10何年間、当り前のようにやってきましたが、質の高い、生産性の高い質問のためには、どういうことが適正なのかという議論が始まっています。 所沢市 桑畠: 所沢では、一問一答は回数制限はありません。往復1時間です。それ以外にも、従来通りの、一括質問一括回答もできるし、最初は登壇して、2回目から一問一答もできます。この3パターンあります。 参加議員A: もう1点。多摩市で、逆に、質の部分が出て来たと思いますが、3回で切ってしまうと、当局がはぐらかして逃げるのではないかと。3回では、「鋭意努力します」と、逃げて終わってしまうのではないかと。どうやったら、質を高くし、回数を減らせるか。例えば、九州のどこかの議会で、時間制限なく、回数制限もなくしたために、例えば、一人の議員が一つの問題だけに1時間やったと、当局に10何回も同じような質問をして、やり取りしていたら、当局は、いついつまでにこうします、とはっきりと言うようになったそうです。それからは回数も時間も少なくなっていったということもあったので、どうやったら、質の高さもあり、回数を減らすことができるのか?そういうところを教えてください。 伊賀市 安本: 一般質問に二通りあると思います。市民の声をしっかり受け止めて、そして市長に政策を訊いて論議をする場合と、自己満足のために選挙運動のような一般質問をしているという、大きく分けて2種類があると思います。当議会でも、そういう問題はあります。やはり、議長はその時、議事整理権を行使し、同じような質問があれば、先程言ったので方向を変えなさいとか、同じ答弁は控えなさいとか、そのように進行しています。 多摩市 安藤: 回数をあんまり制限すると行政側に逃げられるという心配、仰る通りだと思います。だけど、逃げられるような質問するなよ、というのがまずありますね。自分の力量を棚に上げて、訳の分らない痴話喧嘩みたいな質問繰り返してね、逃げられたと言うのは、あなたの力量が足らないんじゃないの、ということかと思います。私たちは、回数を制限することには賛成をしません。但し、片道35分という時間内できちっと抑えなさいと。私が副議長の時に、口喧嘩みたいな話になってきたら、これは制限をします。「もっと論点を整理して、きちんと訊いていただけませんか」と。今は、そういう形で進んでいます。 所沢市 桑畠: それは、押し問答のことだと思いますが、うちでは、議運の申し合せで、押し問答はダメとなっています。押し問答はしちゃダメなんです。でも、押し問答でない場合は、仰られる通り、私も3回でずっとやってきたんですが、4回目に引き出しましたよ。余計な話ですが、水道の利益を一般会計に繰り戻せるって話があって、今までは、3回まで「んんーん〜」と言っていたのが、とうとう4回になったら「できます」と言ったんですね。ですから、効果がありますが、やはり押し問答を、議会として、議長も議運もコントロールできるかということはセットでやらないと。 参加議員B: 伊賀市議会の安本議長さんにお伺いします。私は(神奈川県)二宮町のHと申します。議長の選出方法、通常ですと、事前に議員何名か親衛部隊をつくってやるんですが、あなたの議会ではどのような方法であなたが議長になられたのですか?それから、多摩市議会で決算委員会を予算に反映するとありましたが、その中での問題とか、決算が予算に反映されないとか、先程、予算委員会開かないよ、という話がありましたが、そういうことがどの程度あったのか、お伺いします。それと、所沢市の議員の中で、(地方自治法)96条第1項の議決事件、それがどの程度まで、私たちも長期計画とか、まちの今後に対するプランを議決事項にしようと思っているんですが、それをどの程度おやりになっているかお伺いします。 伊賀市 安本: どうして議長になったのかとのご質問にどのようにお答えして良いかわかりませんが。どこの議会にも改革グループというのがありますよね。ですが、数が少ないから、どんなことをしても、どうしても否決されます。議員提案しても否決されるのが現状です。そんな中で、合併前の旧上野市時代の20分の8が改革グループでした。もちろん、8人ではどうすることもできません。そうして合併をして今日来たわけなんですが、選出方法は立候補制です。3人の推薦者をつけて立候補します。そして所信表明会をやり、そののち候補者に質疑応答があります。その後投票をします。平成18年の立候補は(私は)議会基本条例の制定というのを公約に、立候補しました。応援団もあったんですが、任期は1年です。その1年間で大変だなという思いがありました。なぜ議長になったのかというと、議会というのは合議体ですから、議長という権限を持ち進めて行くのが、もっとも近道と思ったからです。2回目の議長に立候補したのは、そろそろ4年経って5年目を迎えますので、議会基本条例を見直す必要があるのではないかと。現在、報告会では市民からテーマを頂戴しています。「今度、これで議論してほしい」と投げかけられます。このように市民の関心が高まれば、議会との距離が近くなります。これも議長としてのリーダーシップと権限だろう、という認識を持っているからです。 多摩市 安藤: 私のところも所信表明会をやって、私は26名中24票をいただいて(副議長に)当選しました。お尋ねの件ですが、説明をはしょったんで誤解されたかもしれませんが、決算特別委員会で事務事業評価をしまして、その結果をこういう評価表にまとめます。そして議会全体で事業について総合点をつけます。そして市長に対して、決算特別委員会の報告書をお渡しします。この事業については、相当問題があるぞとか、点数がもの凄く低い事業の場合、過半数の議員はこのままでは予算通す気はないというメッセージになります。この突き付けたものに対して、市が、市長がどのように対応したかということ、答を必ず持って来てくださいね、というようにしています。これは条例上も担保されています。毎年、1月の終わり頃、予算の内示の前の段階で、決算特別委員会の報告書に対する答をもらいます。答をもらったうえで、内示を受けて、それで予算特別委員会になります。今まで予算特別委員会が開かれなかったことはありません。必ず答が来てますから。私たちはそれを評価して、予算委員会に臨みます。議会からのメッセージによって、次の年、いろんな事業の予算が極端に減ってみたり、その事業が廃止になったり、それから、その事業のある部分が際立って来たり、というのは事例として沢山あります。多摩市議会は議会からのメッセージが予算に反映できるシステムを作って実質化しようと、今どんどん動いている最中です。 所沢市 桑畠: (地方自治法)96条の第2項ですね。追加する議決事件ですが、所沢市の場合は別条例にして、条例化しています。その中で内容としては、総合計画の基本計画の策定、それから都市マスタープランと言われる20年に1回の都市計画に関する基本的な方針の策定、変更または廃止、この2つ。これはあまり増やすと、議会を縛っちゃうんですね。変に議決事項にすると反対ができなくなってしまうんです、その計画案については。最初10何項目リスト作ったんですが、この2つに落ち着きました。余談ですが、この条例を作る時に執行部が基本計画を総合計画から無くしたいんだけど、と話してきたんですが、冗談言うんじゃない、と。それは残ったという経緯がありますが、これも、よくよく条文を考えて作らないと、その対象とする議決すべき事件を、名前を変えてしまうというのが、よくやられるパターンですので、お気をつけください。 参加議員B: 再質問です。安本議長にお伺いします。どこの自治体でも(議長の)立候補制とか選挙のやり方は決まっていると思います。但し、どこの議会も事前に人数調整したり、談合野合がはびこっていると思うんですよ。それが、日本の国の、そもそも根幹にある地方自治体が選挙制度を有効に活かしていないだろう思うんです。もっともっと議長になりたい人が、オレの言うことに賛同してくれ、って堂々たる論議があっていいと思うんですが、それが省略されちゃってる。今お話し聴いていると伊賀市議会では、そういうことが行なわれているというので非常に嬉しいことで私たちもマネしたいと思っています。今、5年も議長をなさっていると仰った・・(回りから、「違う」との声) 伊賀市 安本: 議会基本条例を制定して5年目を迎えたということです。 参加議員B: じゃ、安本議長は何年おやりになっているんですか? 伊賀市 安本: 1年任期ですので、今が2回目の議長職にいます。 参加議員B: わかりました。ご苦労さまです。多摩市議会さんですが、多くの事業があると思うんですが、それのすべてに対して評価するのでしょうか?それとも、自分たちで、これおかしいよ、と抜粋してやるのでしょうか?また所沢市さん、私どもでは現在、おたくの案を参考にさせてもらって進めています。 多摩市 安藤: 多摩市は決算特別委員会を9月議会でやっています。6月の出納閉鎖からごくわずかなんですが、8月の中旬には大体400から500の事業について、事業評価カードを作ります。電話帳2冊分くらいあります。これだけの事業について、評価の特徴はできるだけフルコストで出すようにしています。例えば100万円の事業に職員を10人付けたら、行政コストは1億100万円ですよね。これがしっかりと出るように作っています。また、予算をつくるときに、この事業による達成目標、アウトプットをきちっと書いています。例えば、この事業によって、1000人分の相談を受けますと書いてあります。ですから、決算の時にはそれが評価をできるわけです。議会においては400も500もできるわけではありませんから、事務事業の精選をやります。学校の先生が教材の精選をやるのと同じです。これは象徴的な事業とか、市長が重点的にやっているもの、予算が特に増えたもの、それから、議会が市民のお話を聴く中で、重要と思われる事業を選んでやっています。毎年、10から15くらいです。精選のし方というのが、一つの勝負で、決算特別委員会が9月ですから、6月議会が終わった時点で、決算特別委員会の委員長、副委員長、理事を内定します。そして、6月議会後から夏休み中に理事会が、今回はどんな事業に絞り込むか、そしてどのような評価をするかということを徹底的に議論をします。毎年やる方法がどんどん進化しています。この内容は多摩市のホームページの議会だよりを見てもらえれば、全部出ております。毎年方法が変わっているということが分かってもらえると思います。 参加市民C: 相模原市議会をよくする会のAですが、今、議長(職)がたまたま問題になっているんで、議会基本条例というのは、あくまでも地方自治法の範囲内でやっていると思うんですが、皆さんの条例の中に、議長の任期について規定しているところはあるんでしょうか?今、お話を伺っていると、先進的な伊賀市でさえも、1年交代を当り前のようにやってますが、自治法には、議員の任期の間、議長は任期になってますよね。それを全く考慮されないで、これを見ると、議長の任期について規定が全くないものですから、これが一番、僕は問題だと思います。議長の選挙のあり方どころか(ではない)。(議員の)選挙の直後に、4年に1回、(議長選を)やるならわかりますよ。だけど、毎年やるのが恒例だとか、“申し合せに”より、1年、2年とするという。自治法では4年と言っている以上、皆さんはそうしなきゃいけないはずでしょ?こうしたことをどのように考えて、この議会基本条例に(議長任期)入れてないのか、あるいは入れようとしたけども、できない相談だったのか、お伺いします。 伊賀市 安本: 大変厳しいご指摘でございます。議長の任期が1年というのは、おおよそ、“申し合せ”だろうと思います。これが良いのか悪いのかという議論になりますけど、議会の議員の資質、一言で言うならば資質です。議会という所は、何をする所かということを理解していらっしゃる方は、おおよそ組織の一員として、やっぱり議長の任期というのはせめて2年くらいやって、そして副議長さんは1年くらいで議長を養成していって、それぞれリーダーシップをとっていくものだろうと思います。かつて財源が豊かなとき、国から県からお金をとってくるということが横行していた時に、議長は一年交代で誰がやってもいいんじゃないかと。これは市民にも責任があります。そういうふうな流れがいまだにあると思っています。私は議長任期1年というのは、限られた財源の中で、市民の皆さんの幸せ度をアップするための組織としては、やっぱり最低2年くらいはね、自治法は4年ですけどね、2年くらいは必要ではないかという思いは持っております。とりあえず議長にどういう理由でなりたいか、改革するために議長というポジションが欲しいのか、後援会がそろそろなれというからなりたいのか、というふうなことの議員の資質の表れだろう、と思っています。でも、それらの議員も市民の皆さん方が選ぶわけです。 参加市民C: (マイク通さず、)質問は、なぜ基本条例に含めなかったのか・・・ 多摩市 安藤: はい、わかりました。議会基本条例を審議する時に、そういったことは議論されました。法律上は、勿論、議長は議員の任期による、と書いてあります。しかしながら、私たち多摩市議会でどうしようかという議論をしました。4年に1度、任期が始まった時に選挙しますとね、新人議員の人は、誰に投票していいかわからないです。所信表明会はもちろんやります。じゃあ、4年という任期はどうなんだろう、うちは2年にしてます。これは2年間で中間評価をするという意味でやろうねと、議会で議論しました。中間評価ですから、もう一回連続してされる方がいても、それはそれで結構だろうと。しかしながら、多摩市議会では2年を一応目途とする、という“申し合せ”にしました。法律の字面だけ捉えてね、けしからんと言うのは、ご自由かと思います。4年任期にしたら、とんでもない人が議長になった時に、辞めさせられないですよ、現実問題として。議長不信任案だしても、辞めさせる実行力がないですから。現在の法制度がそうなっている以上、法律を変えるというのは国会でないとできませんから、私たちは現場で対応しよう、うちの議会で議論した結果としては、2年間という、仰る通り、“申し合せ”という形でやっています。自発的辞任という形を取らざるを得ないのは、私たちの議論では、法律上の不備であると言わざるを得ません。こちらの方々(2人のパネラー)に申し訳ないですが、議長が1年交代というのでは、議長の仕事できませんよ。1年交代というのは誰でも議長になれるという意味です。力のない人が議長になれるということは、お役人がすべてをやるってことなんです。これは官僚主義です。うちの議会では、議長の権能がすごく重いですし、それなりに実力がなくてはいけない。そういったところをしっかり議論したうえで、このように決めています。法律には「副議長は、事故ある時に交替する」とぐらいしか書いてないですが、うちの条例の中では、あえて16条の4項に、「議長が欠けた時、議長の職務を行なう」というのは当り前ですけれど、「議長を常に補佐する」と書きました。だから私、副議長ですが、相当普段からいろんなことをやっています。議長とペアを組んで、ひとつのチームとしてやっているような感覚です。今のところそれで、総務省からもどこからもけしからんと言われておりません。うちの議会で合意しました、法律を字面だけで捉えるのは止めようって。 (参加市民Cが、「字面で捉えないって、法律の意味がない・・・」のような発言。マイクを通してないので、不明瞭。) 所沢市 桑畠: うちは議論はありませんでした。
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第2部 議会基本条例その後−成果、課題 第2部は、当会顧問の専修大学法学部教授の小林弘和氏がコーディネーターとして進行された。 小林: 後半のスケジュールですが、コメンテーターをお二人お呼びしていますので、そこから始めます。後は、3議会の前半ではお話いただかなかった部分(C施行後の成果、D今後の課題)をお話ししてもらいます。その後、フロアーからのご質問や意見交換をするという流れで行きたいと思います。早速、福嶋さんからどうぞ。 元我孫子市長 福嶋浩彦: 私は自由にお話ししたいと思いますが、念のため、私が話すことは政府見解ではありません(会場笑い)。私は総務省の幹部、ましてや総務大臣ではありませんので。消費者庁長官が、なんで地方自治のことを勝手に言っているんだと、総務省から抗議されそうですから。政府見解ではないので、よろしくお願いします。 小林: ありがとうございました。ちなみに、福嶋さんが我孫子市長をされてお辞めになってですね、3ヶ月後かに私、議員研修で我孫子に行ったんですよ。議員さんが言った言葉を今でも憶えています。「辞めてもらって良かった」と。(会場笑い)何しろ、根回ししなければ何もしないでボーンと案を出してですね、後は戦いだと。多分、日本で一番否決の修正の多かった議会の市長さんじゃなかったかと。逆に言えば、そういうのが個性だと。今お話になった市のあり方、裏へ手を回して調整するのはいけないということかもしれませんが、議員さんからすれば、一番戦いにくい嫌な市長さんだったのかもしれません。(会場笑い) 福嶋: ちょっとだけ、補足しますと、根回し、調整は一切しません。でも、議会の皆さんは議案を出して初めて、議案の内容を知るわけではありません。条例案づくりをするところから、あるいは予算案の編成過程も、全部市民に公開しますから、各課が予算要求するところから最初から予算編成も全部公開していますから、議員にもこれほど情報を伝えている市長はいないと思います。でも、我孫子市議会の議員の多数は、市民と同時に知ると、ちゃんと議会に知らせてないと言うんですね。議会だけに伝えると、議会を大事にしている、と言われました。そういう傾向がありました。ま、ここで愚痴言っても仕方ありませんけどね。 小林: では、菅沼さんから、記者としてご覧になってどうか、お願いします。 朝日新聞記者 菅沼栄一郎: 3つ申し上げます。今日のシンポに参加しておられる方で、議会関係者ではない、経験のないのは、多分、僕だけだと思います。外野の立場から発言します。今年の1月に、全国の地方議会の実態を調べるアンケートをしました。その結果を書いた記事を(資料として)お配りしています。「ダメ議会の3冠王」がいっぱいあるという実態をストレートに書いた記事です。今まで、新聞が地方議会をどのように扱ってきたかというと、基本的にはネグレクト(無視すること)してきた。書いたって何も変わらないから、企画を出しても通らない。それでも、4年に1度、統一地方選の前にだけ大特集をやることになっている。オリンピックのようなものです。その4年前にも、同じような地方議会のアンケートを広瀬克哉・法政大学教授と合同でやりました。その時は、議会は応援しなくちゃいけない、クサしてはいけない、実態をあからさまに批判してはいけないと。費用弁償を廃止・削減した実例や、議会基本条例を作り始めた実績など、ガンバレガンバレとばかり2、3回特集した。しかし、あまり話題になりませんでした。ただ、議会関係者の方々には、不祥事以外の報道で、新聞がこれだけ大きくきちんと扱った例は珍しい、と大変高い評価を受けました。今度は、その時以上に皆さんに(高い)評価をいただきました。先程、宇都宮市議会関係者の方から、この記事をきっかけに改革気運が出た、と。ちなみに宇都宮市議会は、ダメ議会の最右翼のような形で記事が出ています。でも、きっかけにして頂いてありがとうございました。是非、他の議会も改革を進めて頂きたいと思います。 小林: ありがとうございました。これから、御三方に、後半の部分をして頂くのですが、ただ、安藤さんが所用があるとのことで、早めにお帰りになるので、順番を変えて一番先にやっていただきます。 ◆ 市民の声を、議会主導で政策につなげる ― 3市議会共通 多摩市 安藤: 今、菅沼さんがお話しになった通りです。改革を進める時に、アイディアを出す人と、環境を整える人、その両方が必要である。特に、アイディアを出す人はいろいろなセミナーで聞きかじったことを撒き散らす、これは反発を買うだけで実際には進まないと思います。アイディアを出す人は、そこで知ったことを、自分の議会でどうやったらいいかをしっかりコーディネイト(調整)したうえで、提案していかないと反発されるだけです。もう一つは、環境を整える人、これは場合によっては泥をかぶるくらいの覚悟がないと、実際には調整できません。私は公明党ですが、(議会には)共産党さんから自民党さんまでいます。これを最終的に全会一致に持って行くのに、どのような苦労をしたかは想像がつくと思います、変な談合をする必要はないと思います。けれども、議論はしっかりやる。数合わせは絶対にいけない。要するに、賛成を得るために、「ポストをやるから」、とか、「他の案件やってやるから」とか、これはダメで、議題そのもの、条例なら条例そのものについてしっかり議論するのは必要です。うちの議会で今進んでいることですが、2年半試行錯誤してきた意義というのがあります。この2年半のプロセスそのものが議会改革の実態だと思っています。それから温度差、立ち位置の違いというのが凄くあった。多摩市議会は都市型の議会ですから26人中22人が政党所属で、みんな看板を背負っている。イデオロギーなんて合うわけがない。 福嶋: 質問したいんですが。勉強会というのは、根回しじゃないから大いにやった方が良いし、私もやっていましたし、大事だと思います。この勉強会こそ、もっと市民が自由に参加して、議員と市民が議論する一番いい機会になると思います。公式の場だとそれなりの手続きが必要だけど、そういうことをやられていたのか?ということ。それから、勉強会でもできるんですが、当然、条例案を作るところから、予算案を作るところから、事前に公開していれば、実際に議案出すまでに、議会の正式な定例会が何回かあるわけですね。当然そういう公式の場でも議論されているんですよね?ってこと。あと、無作為抽出の(市民)参加も議論したいんですが、お時間ないでしょうから。 多摩市 安藤: すいません。半分逃げを打ちながらで、申し訳ないですけども、一つはですね、行政が議会に対して勉強会してくれと言ってきます。そして、我々の方からも申し入れ、議論をします。市民の傍聴ももちろん可能です。というのは議会基本条例に会議は原則公開すると書いてます。 福嶋: 行政から話を聴くのではなくて、同じテーマで市民から聴くということで。 多摩市 安藤: そうです。それは、ちょっとこの先の話なんです。それはそれとしてやっておいて、それから今、うちの議会改革は委員会中心でやっています。委員会が意見交換会という独自のテーマを掲げて、意見交換するのをどんどんやって行きます。それが仰るようなケースになると思います。委員会として市民に意見を求めて行くということ。行政から説明を受けて勉強し、そして本当に課題のある地域に行ったり、課題のある施設に行ったりして意見交換をしてくるというのを平日にやっています。そういう事実を積み上げて、議会基本条例をさらに進化させていく、という方向にあります。 福嶋: 行政だけから聴いてても、分らない・・・(マイクを通してないので不明瞭) 多摩市 安藤: もちろん、我々議員というのは議会の中にいて、行政の情報だけで判断しようとします。でも、うちの議会は委員会レベルでしょっちゅう市民のところに出かけて行きます。だから、会期中の委員会の開催がすごく多いです。3回、4回は当り前です。うちの議会は日本一働く議会にしようというのが、ひとつのテーマです。 所沢市 桑畠: よく言われるのは、議会基本条例を作っても意味がないって言われる。そんなの要らないと。会議規則と委員会条例で
小林: ありがとうございました。本来であれば、パネリストとコメンテーターがやり合っていただくのがいいんですが、時間がないので、会場の方たちからのご質問などを受けることにします。多くの方にして頂きたいので、質問はなるべく短めにお願いします。 参加議員D: 茨城県の取手市から来ましたNと申します。菅沼記者にお願いします。取手は一昨年、全国1800有余の自治体の中で第22位と、北川正恭先生研究会で。条例はなかったんですが、改革先行してやってきました。今日、「ひびき」(議会だより)と新聞報道をかついで持って来たんでお土産に。そういう中で、仏作って魂入れずでは、画竜点睛を欠くってことで、3・11の3日後に委員会をつくりました。ということで今、第11条で、討論を一議題で3回できるというのは全国初です。そういった中で、さっき菅沼記者がメディアの応援が必要だと。でも、4年に1回の記事じゃなくて、取手ではS記者が書いてくれましたが、まだ(議会基本条例が)1800の自治体のうち1600ができていないんで、もっとどんどんメディアに応援願いたいと、4年に1回の記事じゃなくて、それを希望します。 参加議員E: パネラーの議員さんにお伺いしたいのですが、今までの話題に出なかった通年議会をどのように考えていらっしゃるのか?この間、四日市に行きましたら、四日市では3月議会で議決をして、4月から始まった。三重県議会は、通年ではなく通期、4年ずっと議会を開きっぱなしにしましょう。そういう論議が始まったということなんですが、お二方(1人帰ったので)の議会はどうなんでしょう? 伊賀市 安本: 確かに通年議会はメリットがあるのですが、私たちが考えている通年議会は2つあると思います。それは議長が開催をするという権限、もう一つは市長の専決処分をなくするということです。当議会は専決処分については、市長が重要なものは報告がありますので、議会に諮るまでもなく、市民のコンセンサスがなければ戻してますので、今のところ、議会としては通年議会というのは、議論は一切やっておりません。 所沢市 桑畠: うちの議会では、常に改革工程表というのを作って、こういうものをやりますよと、あるんですが、その中で通年議会は入っていません。通年議会というのは、メリットデメリットがあるんですが、やる意味があるのは、議員報酬の問題です。つまり、我々が日当制と言われた時に、「通年なんですー」と訴えたいというのと、今言われたような専決処分、これは廃止キャンペーンを議会で張ってますんで、それは意味がないのかと。それから閉会中の審査は、弾力性を持たせて、何でもできるようにしています。そういう意味で言えば、私個人としては通年議会のほうが良いと思いますが、今のところは、閉会中もいろんなことをやろうということで、うちの議会は進んでいるので、まだ(通年議会は)ロードマップに入ってないのが現状です。 参加市民F: 私は多摩市議会ウォッチングの会のKと申します。先程、多摩市議会の副議長の安藤氏が素晴らしいプレゼンテーションをされ、お聴きになった方は多摩市議会は「すごいなあ」と思われたと思いますが。実際、ウォッチングしている私どもとしては、まー、とにかく本当かー、と(会場笑い)。それはさておきましてね、福嶋先生に2つ質問があります。1つはどこかの市のシンポジウムで(私が福嶋さんに)「多摩市議会基本条例、こういうことを制定しました」と言ったらば、福嶋さんが一言即下に「ああ、これはアクセサリー条例だね」と言われまして、私もそうだと思ってましたので、心の中ではちょっと抵抗感もあったのですが、今日改めて、昨年議会基本条例を制定して、安藤副議長からあのようなプレゼンがありましたが、あれを聴いて、福嶋さんはどのようにお感じになったでしょうか?もう一つは、わたしは、まちを良くするために本当に、無報酬で、手弁当で汗かいています。私は多分、今の日本の国の形がやっぱり地方が強くなければいけない、地方が強くなるということは住民自体が本当に何かに目覚めるということですね。そのためには、思い切って国の予算を地方に任せてもらいたい、で、だらしない首長がいて、だらしない議会があれば、その自治体は潰れる、こういうふうなことにしないと、多分、市民は目覚めない。と思ってます。この2点を、福嶋先生の御見解を伺います。 福嶋: あの、多摩市の条例をアクセサリーだと言ったのが、どの部分について言ったのか、ちょっと記憶していません。どの点について私に説明をされたのか記憶していませんので、多摩市がそうだということではありませんが、例えば、私がよく指摘しているのは、市民を参考人として呼ぶのは、議会が必要性を認めた時に呼んで積極的に活用していくという条文。それは別に条例がなくたって自治法でできるでしょうと。議会基本条例を作るならば、市民の権利として、市民が求めたら参考人として意見が言えるということを権利として書かなければ意味がない、アクセサリーですよ、と言っています。多摩市のどの部分について言ったのか、申し訳ありません、記憶にないので、それかどうか今はお答えできません。今日のお話を聴いて、アクセサリーだと思った部分はありません。それから2点目ですけど、私がとても気になるのは、先程言ったように、議会基本条例を作らせるのも国が強制したらいいじゃないか、それから私、住民投票条例の制定の運動をしてきましたが、国が義務付けてほしい、という意見があるんですね。それから今、消費者庁の仕事をしていますが、地方消費者行政を充実させるには、国が指示をしてほしい、国がひも付きの補助金を出してほしいと言われるんですよ。みんな国頼みなんで、それは違うのではないか、国の基準ではなく、住民の意思で自治体をちゃんと強化をしていく、地域を豊かにしていくってことが必要だろうと。個々にはいろんな場面はありますよ。だけど、基本はそこだと思うんで、どうもそこがちゃんとした流れになっていないなあという思いがあります。だから私も、税源移譲して、自治体が自分の責任で自分で決めて、ダメな所はダメになる、でいいと思う。今までね、ダメな所、とんでもない市長やとんでもない議会を住民が選んでしまっても、国がいろいろお節介焼いて何とかなるようにしてたんですね。そうすると住民は真剣にならずに、とりあえず直接私の利益になる人、私の地域の得になる人、私の業界のプラスになる人、という基準で選んでしまいがちです。本当に変な市長、変な議会を選んでしまったら、地域自体がダメになるとすれば、もっと真剣に住民の人たちは選びますよね。もちろん、どんなに頑張っても税源の偏在はあります。そういうものはキチッと国が制度を作って、税源の偏在をなくす、財源を保証する。そういう前提があれば、本当にダメな市長や議会を選んだところはダメになるという仕組みでいい。そうでないと変わらない。原則はそうだと思います。ただ、その原則だけで全部やれるかというと、現実にはいろいろなことも考えないといけないと思いますが。 小林: 時間に限りがありますので、後お二人に限らせていただきます。初めての方を優先します。 参加議員G: 埼玉県の入間市から来ましたGと申します。桑畠さんとこのお隣ですが、桑畠さんとこは何処に出しても恥ずかしくない議会ですが、うちの議会は何処に出しても恥ずかしい議会で申し訳ないです。冗談はさておきまして、今日来ておられる議員さんたちに共通の気持ちだと思いますが、こういう良い条例、良い改革をやりたいと思っているのは、(議会の中で)少数だと思うんですね。(改革の)輪が広がらない。もう特に、一番大きい会派をどうやって口説き落として制定の方向へ引っ張っていけるか、メソッドを伺いたいなあという所なんです。少数の議員がどうやって合意形成をして行かれたのでしょうか?うちも、(議会基本条例制定)特別委員会というのを作っているんですが、一番大きい会派は基本条例をほしいんだそうですが、一番大きい会派が「作れ」って言ったんですよ、この委員会ね。ただ市民の声を聴きたくない、アンケートをやりたくない、市民の声を聴いて条例を作るなんてそんなオカシナ話はないと、我々だけで作るんだと、アクセサリー型の条例がほしいという人とか、理事者を叩きのめすための道具としてほしいという会派もある。市民の声を聴かないといけない、というのはごく限られた人たちです。ということで、議論が立ち往生している状態です。是非、先進のトップランナーからお話をお聞かせください。 伊賀市 安本: 議会の改革は議員だけではなかなかできません。それは何故かというと、市民が要求してても、結果として二元代表制を勉強しなければいけないということで、当議会も反対がありました。当時34人の議員で17人がボイコットしました。ボイコットされた会議で私の不信任が出るようなこともありました。だからこそ、市民の皆さん、メディアの方々にお手伝いを戴きながらゼロからつくりました。議員は議会の中ではナンダカンダ言って反対していますけど、市民の前に行きますと反対はできません。何故なら、市民が求めているからです。そういう手法も一つかなと思います。 所沢市 桑畠: 議員の中で、こういうのは良いからやりましょうと言って、賛成する人は少数派であって、だから、「ま、いいから、お願い」と懇願と、但し、そこから先は“わらしべ長者”と一緒なんですよ。まず藁取って、アブをつけ、それを蜜柑にして、ちょっとの隙に、こっちは最終の絵を描いておく。工程表を作りましたが、全部見せるとあれなんで、ちょっとずつ小出しに小出しにして、最後は議会基本条例が手に入る、というこういう方法なんです。分りますかね?だから、あんまりこう「これ良いもんなんですから」と言うと嫌われますから。「こんなこと、僕も良いことだとは思わないんだけれど、流行ってますからね、これ」と。私はそれでいいと思うんですよ。「そうですよ、やっといたほうがいいですよ。うるさい人が来るでしょ、こういう人のためにもなるんです」と。「そうかなー」みたいなね。そういうことを積み重ねているんですよ、現実には。それを否定して、いくら正論で、安全な位置に立って(たら負ける)、我々政治をやる人たちは、やっぱり勝ってなんぼですから。選挙だけ考えれば、僕はこんないいこと言ってんのにね、分ってくれなくて(と言っても)票は伸びるんですよ。でも、変えないと意味がないじゃないですか。議員である以上一歩でも二歩でも変えていくものだと、私は思ってますから、私はそういうやり方で来たんですね。それは本音の所です。 参加議員H: 福嶋さんにお伺いします。(私は)34歳から2期8年間議員をやりまして、あまりにもくだらなさに辞めて、司法書士として多重債務(整理の仕事?)に8年間取り組んできました。そういう中で、名古屋、河村市長等の意見に大変共感をして、尚かつ、福嶋さんの直接民主制をベースにした間接民主制という考え方に非常に共感をして、また立候補して当選したんですけれども、こういった現状の中で、アクセサリー条例ではない、福嶋さんの言われる真の(議会)基本条例のポイントをいくつでもいいですからお話しして頂きたいと思います。 福嶋: 端的に、根源的なとこだけを言えば、きちっと市民が議会に参加することを権利として保証している、そういう所だと私は思います。念のために言っておきますが、条例は素晴らしい条例を作った、一方では、アクセサリー条例にとどまった。でも、アクセサリー条例を使って、ちゃんと市民参加をやっている。反対に、条例だけは権利を保証したけれど、実際には何にもやっていない。どちらが良いかって言えば、やっているほうが良いですからね。条例さえ作ればいいって話じゃないということも併せて皆で共通認識にしてほしい。もちろんアクセサリー条例じゃないほうがいいし、アクセサリー条例はやめなきゃいけないのは当然ですけど。 小林: 最初のコメントで福嶋さんが、市のほうも情報をちゃんと公開していて、議員さんはそれをちゃんと見ていれば、事前に情報を把握できるということでしたが、それは非常に重要です。この開かれた議会をめざす会が、なぜ議会の問題をやるかと言うと、非常に簡単でして、一番ダメで市民の不信の原因になっている所が議会だろうということがあるからです。まだ行政のほうが少しはまともかも知れない、ま、そうも思えない部分もあるんですけども、ともかく議会を改革しようといろいろな努力をして来たと。今回、議会基本条例をテーマにあげようということだったんですね。そうすると、どう議会を良くしていくか、市民との関係を問題として挙げていくか、ということになるわけですが、さらには、実は、議会といくら仲良くなっても、行政と議会と市民がいるわけですから、この3者の問題になってくるわけですね。そうすると、行政自体がいかに市民に情報を提供していくか公開をするか、そういうところが非常に重要であります。いくら議会と仲良くなっても、行政側が殆ど情報を出しませんよとか、議員さんにだけ出しますよというのではだめです。議員さんて特別待遇が大好きですから、あんたにだけよ、と言われると、すごく喜んじゃってね。情報を市民と同時に出すと、この野郎首絞めるぞ、ということを言うわけですよね。そういう社会がないということが実は前提であって、市民に、行政と議会両方とも開かれていないといけないと思うんですね。そういう点では、運用の問題、今、福嶋さんが仰ったですけども、やはり議会基本条例も、僕は、議会だけで留まるのではなくて、実は執行部、行政側がどういうスタンスを持っているかによって、大きく変化をして行くと思うんですね。 −完− |
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